風呂の掃除をしてたら、三歳になる息子のタケシが風呂場へやって来た。
浴槽に入って風呂を掃除してるオレを、風呂場のドアのところから見つめている。
「濡れるからあっち行っとけよ」
浴槽を磨いた後、浴槽についた泡をシャワーで流す。
浴槽に当たって飛び散るしぶきが冷たい。
もう少しで泡が流れて掃除は終了というところで、急に腹が痛くなった。
どうも浴槽を洗っている時に、無理な体勢をしすぎたらしい。
日ごろの運動不足も祟って腹筋が、つったようだ。
「あいててて・・・・腹が痛い」
その場にうずくまり、痛みに耐えてしばらくじっとしてたら、ようやく腹筋の硬直は落ち着いてきた。
いつの間にか、タケシはいなかった。
と、思ったら代わりに嫁がドタドタと走ってやって来た。
「なーんだって、なんなんだよ」
「タケシが台所に走って来て、『お父さんがお腹痛い』って言って泣いてたから、ビックリして走ってきたのよ。」
嫁のスカートをぎゅっと握って、タケシはボロボロと涙をこぼしていた。
腹筋がつって痛がっているオレを見て、タケシは心配して嫁を呼びに行ってくれたらしい。
オレはタケシの頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめた。
それでもタケシは、泣きじゃっくりで体をひくひくさせながらしばらく涙を流していた。
「私が腰が痛いとか言っても何もしてくれないのに、ほーんとにお父さんは愛されていますねえ」
嫁が捨てセリフを残して台所へ去って行く。
オレはタケシの頭をもう一回くしゃくしゃと撫でた。
いつまでオレを好きでいてくれるかはわからない。
空気の読めない、コミュニケーションもロクに出来ない、使えない会社員。
いつの日か、そんな本当のオレを知ったら、子供はオレの事を嫌いになるのかもしれない。
だけど、もうしばらくは、コイツのために頑張らないといけないなと思った。
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