2008-11-19

捜査記録

埼玉殺人事件発生。県警は怨恨の線で捜査

同日午後、東京にて殺傷事件発生。共に被害者が元厚生事務次官であることから連続事件の疑い。警察庁警視庁埼玉県警、公安等を呼びつけ異例の会議連続事件を念頭に置き第三の事件を防げとの指示。

翌々日午前、鎌倉にて殺人事件発生。被害者は元厚生事務次官。同一犯かと思われたが東京での事件と目撃証言が食い違う。中肉で160cmくらいの30代という東京に対し、痩せ形で180cmくらいの20代という鎌倉。疑いつつもそれぞれの目撃証言を基に捜索。

翌日午後。東京にて殺人事件発生。ただし被害者自民党議員。目撃証言は乏しいものの、小柄な20代と、いずれの事件とも異なっていた。議員が殺害されたことにより対策が更に厳重に。警察官の重点的な見回り、重要人物には直接の警護がつくこととなった。捜査本部の方針も転換。同一犯の連続事件から組織的なテロと断定。公安から情報が提供される。

三日後。東京にて傷害事件発生。被害者企業社長。目撃証言によると犯人は大柄な30代。未だ疑わしい組織は見つからず。各企業社長宅の民間警備が厳重になる。

翌々日。第三の事件の犯人逮捕鎌倉での元厚生事務次官殺人事件。組織情報を期待するも空振り。更に第三の事件以外は知らないとのこと。組織の手助けなしでいかに住所等の情報を手に入れたのか問い質すとインターネット売国奴リストと呼ばれるものがあるとの供述捜査員が調べてみると、高官、政治家企業社長等の現職、OBそれぞれの住所がリストになって至る所に拡散していた。更に調べてみるとリストが出回り始めたのは約10日前。第一第二の事件の少し前からだった。第三の事件の犯人は、糞ったれな社会に苛ついていた所に、第一第二の事件が起こり、共感、賛同、感動していたところに売国奴リストを見かけ、近所に元事務次官が住んでいたから殺したと供述

翌日午前。横浜にて殺人事件発生。被害者は元政治家。目撃証言によると犯人は小柄な10代とのこと。第三の事件犯人の証言、午前に起きたばかりの第六の事件を踏まえての、再々度の方針転換。単独犯の連続事件でも組織によるテロでもなく、全く関係のない個人による、リストを媒介とした、散発的な連続殺人事件と断定。対策はリストに載っている人間の重点的な警備との案も出たが、毎日、毎時間のようにリスト更新、拡散され続けていた。プロバイダに問い合わて確認してみたところ、リスト更新、拡散しているのは特定の個人ではなく、数多くの全国の人間。面白半分に転載してる人間が多く、いつリストが書き足されたのかも特定はできないことから、リストの方の根を断つことは事実上不可能。更新され続けていく人物を全て警護することも実質不可能。対策は決まらぬまま夜は更けていった。

翌日、東京にて殺人事件が発生。捜査員が最初に確認したリストには載っていなかったが、最新版のリストには載っている人物だった。

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