中学時代、ボクはいじめられていました。おそらくすごくひどいっていうほどのいじめではなかったけど、女の子からのいじめというのはひどく傷つきました。した方はもうなんとも思っていなくても、された方は一生忘れません。見下され、嘲笑されていたのも知っていました。クラス替えのときに2年連続同じクラスになって、ボクの背後で二人の女の子が
「うわ、またおるで」
と言った事は今でも鮮明に覚えています。
それからボクはダメになりました。勉強もスポーツもトップクラスにこなせてたはずなのに、人並み以下どころか人並みにもできなくなりました。全部、あきらめて逃げました。とてもレベルの低い高校に行きました。
そして昨日、中学の同窓会でした。いじめられて見下されてたのに行くのはおかしいように思えますが、変わった自分を見て欲しかった。
高校で死ぬほど頑張りました。勉強だけでなく、自分の外見を磨くよう心がけました。ただ、女の子に対する恐怖心から女の子とはコミュニケーションを避けました。けれど、一目ぼれしたと言って告白してくれた女の子が居ました。それをきっかけに女の子から嫌われるばかりで、見下されるばかりで、馬鹿にされる自分ではなくなったんだと思えました。
それから、勉強も頑張っていい大学に入って、女の子ともコミュニケーションが取れるようになりました。
昔の弱くて駄目な自分を忘れ去ることが出来たと思っていました。
そして、今日の同窓会。ボクはあの二人の女の子を探しました。別々に居ましたが、両方を見つけました。
ただ、それだけでした。それから昔の気弱な自分に戻りました。人が多い空間で心拍数だけが上がりました。
吐き気さえしました。涙はこらえました。あの頃を一人で思い出して一人でつらくなりました。
大人になって、強くなって、かっこよくなった自分は幻想でした。こんなにもろい自分に嫌気がさしました。
とにかく二人を避けて、友達と会話する自分に気づきました。決して一人にならないように注意する自分に気づきました。友達にすがり付いて脅えていただけでした。何をされるわけでもないのに。
恨みがあるはずの人間に何も言えませんでした。何も出来ませんでした。この日を目標に頑張ってきたのに。
ただ、こんな負の力がボクをここまで変えてくれたことには感謝しています。変わった自分を今度は自分のために磨こうと思います。人の目を気にせず。