2007-10-30

父子

息子「久しぶりに父さんをラーメン屋に誘ったんだけど遅いなー。一風堂って言ってあるんだけどなー。」

父「おーい!」

息子「あ、父さんだ!こっちこっち!どうしたの?遅かったじゃん。」

父「ごめんなー、だめな父親で・・・。」

息子「いやいや、そこまでは気にしなくていいって。」

店内

父「こういう店は彼女とよく来るのか?」

息子「そんな彼女なんていないよー。」

父「いいよ、隠さなくて。いるんだろ?」

息子「う、うん。いるよ。」

父「出て来いよー!」

息子「ここにはいねーよ!」

父「いいなー、21歳。青春だよなー。」

息子「そう?」

父「ああ、いいとも。春を売ると書いてセイシュン。」

息子「それは売春だろ!何言ってんだよ。とりあえずなんか頼もうよ。」

父「よし、頼もう。ウエイトレスさーん!連帯保証人になってくださいませんか?」

息子「何を頼んでんだよ!メニューだろ!じゃあ僕は、普通ラーメン。」

父「じゃあ俺は普通カップラーメン。」

息子「あるわけないだろ!」

ウエイトレス「かしこまりました。」

息子「あるのかよ!」

父「あ、すいません、ここビールありますか?」

ウエイトレス「ありますよ。」

父「じゃあいいや。」

息子「何のために聞いたんだよ!」

ウエイトレス「かしこまりました。」

息子「かしこまるなよ!ちょっとは疑問に思えよ!」

父「でも、珍しいなー。お前から誘うなんて。」

息子「ああ、大事な話があるんだ。」

父「ま、まさか・・・、俺は本当の父親じゃないとか!?」

息子「意味わかんねーよ!違うよ、将来の事だよ。僕さー・・・。」

プルルル・・・、プルルル・・・

父「ちょっと待て!会社から電話だ。はい、もしもし一風堂です。」

息子「あんた店員じゃないだろー!」

父「もしもし、なんだお前かー!今食事中だよ!見てわかんねーのか!」

息子「電話じゃわかんねーよ!」

父「ごめん、ごめん。それで話ってなんだ?」

息子「ああ、僕音楽やっていこうと思って・・・。」

父「なに?聞こえなかったよ。もう2回言ってくれ。」

息子「せめて次で聞く努力しろよ!だからー、音楽をやっていきたいの!もうここまでやってきたわけだし。」

父「そうかそうか、俺は賛成だ!ただし父さんが何て言うか・・・。」

息子「お前は誰だよ!」

父「どうせならピッグになって帰って来い。」

息子「豚にはなんねーよ。」

父「あー、ウエイトレスさん。これをあちらのお客さんに。」

息子「え?なになに?なにをやるの?」

父「伝票。」

息子「伝票渡すなよ!」

ウエイトレス「かしこまりました。」

息子「またかしこまっちゃったよ。」

父「と言うのは冗談で、今日は父さんのワリカンだ。」

息子「ワリカンかよ!オゴリだろ!」

父「そうそうオゴリ。間違えちゃったよ。」

息子「わるいね。こっちから誘っといて。」

父「いいさ、気にするな。どうせ汚い金だ。」

息子「何やってんだよ!」

父「よーし、帰ろうかー。ところで俺はドラムでいいのか?」

息子「あんたとはやんないよ!」

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