2007-06-27

ただ誰かと話したかっただけ…

深夜の、ちょっと遠距離通勤電車

そのおねえさんは、友達と楽しく飲んで飲んで、ちょっと飲みすぎていた。

ボックスシートの隣に座っている、iPodを聞く見知らぬ男性に腕を絡めた。

向かいに座っていた若い女性ちょっかいを出した。

斜め前の男性に絡んでみた。

そのうち、みんな無視。

おねえさんは面白くない。

だから余計絡む。

となりのお兄さんのヘッドホンをはずし、いちゃもんをつける。

向かいの女性や斜め前の男性にもちょっかいを出し続ける。

それを僕は音楽を聴きながら、読書しながらずっと見ていた。

僕は気がついた。「彼女はさびしいんだ。誰かと話をしたいんだ」と。

でも、誰も取り合わない。

しまいには、iPodお兄さんは逆切れ。

でも違うんだ。彼女は話し相手がほしいだけなんだ。

何駅か過ぎ、みんな下りていった。

ボックスにはおねえさんと僕だけ。

本と音楽のキリが良かったので、声をかけてみた。

「おねえさん、なにかいやなことがあったの?」

「うん、ちょっとね」

「結構飲んだの」

「うん」

「独りで?」

「ううん。仲のいい友達と。とても楽しかった」

「でも… 帰り道一人になったらちょっと滅入っちゃって、誰かと話したくなったの」

そう、彼女宴のあとの寂しさをちょっと紛らわせたかっただけなんだ。

「でも、寂しさが先走っちゃって、絡んじゃった。迷惑かけてごめんね」

「ううん、全然。こっちこそもっと早く話せればよかったんだけど、ちょっと入りにくくてね」

ありがとう。話しかけてくれて。最後になって気分がよくなった。だって1日の最後は気分よくおわりたいじゃない」

「そうだよね」

それから彼女は自分の職種、住んでいるところ(僕の一つ先の駅だった)、その地の住み心地のよさを語ってくれた。

そう、彼女は話を聞いてほしかっただけなんだ。

だから話しかけた僕に心を開いてくれた。

僕の降りる駅が近づいてきた。

「本当にありがとう。うれしかった」

嬉しくなったのは貴女だけじゃないよ。

「喜んでもらえて、僕も嬉しくなったよ」

最後、握手して別れた。

なんか、気分がとてもよくなった。

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