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2007-11-07

[]ITmediaのレディへ記事が、あまりに印象操作が過ぎる件

「価格はあなた次第」のレディオヘッド新作、幾らで売れた? - ITmedia News

ソースhttp://www.comscore.com/press/release.asp?press=1883

【一銭も払わずにダウンロードした人が6割】

【平均価格は2.26ドル】

この記事を読んであなたはどう思うだろう。

「こんな素晴らしいアルバムに2ドルだけなんてひどい!」

「6割も卑怯なフリーライダーがいる!」

アーティストは缶ジュース2本分の値段でアルバムを売らなくちゃいけないの!?」

うん。そうだね。

そう読めるように記事は作ってある。

じゃあ、ちょっとこっちの記事を見てみようか。

http://www.vibe-net.com/news/?news=0032416

ここには、(非公表、関係者筋情報だけど)「すでに120万枚にも上っている」とある。

DL開始2日目の記事だ。この意味分かるかい?

2 日 で 1, 2 0 0, 0 0 0 枚 だ。

(ちなみに。Hail to the Thiefは初週30万枚、Amnesiacは23万枚、“あの”名作Kid Aはなんと20万枚! http://machinist.salon.com/blog/2007/10/11/radiohead_sales/

さあ、後は単純な算数だ。10/12以降、In Rainbowsがまったく、1枚たりとも、売れなかったとしよう。120万に2.26$を掛けてみればいい。そこからCDプレス代は引かれない。レコード会社の取り分もない。

ジャジャーン。答えは270万ドル!!!

3億510まんえん!!!!! 2日で!!!!!

……夢のようだね! 僕だったらすぐさま南の国に光回線メイドさんと自家用レシプロ機が付いた豪邸を買う。

で。僕たち。ユーザはトムおじさんの南の島の豪邸のために何を払わされたっけ?

そう。2.26$だ。フリーライダーを抜いた平均で言えば、6$か。

うん。えっと。

「これは、素晴らしい関係なんじゃないの」ってのが僕の言いたかったことだ。

でもあんな素晴らしいものに700円て安すぎ……と思ったリスナーたちは思い出してほしい。僕らのヒーローHi-Standardは何と言ってレーベルを作ったんだっけ? さあ声を合わせて。せぇの『CDが高すぎる!』

ついでに、日本の話だ。たしかにレディへは世界的すぎるアーティストだ。特殊で、トップで、スケールメリット、つまりAmazonとかGoogleみたいな「分かっててもできないよ」という感じに見てるかもしれない。でも、そんなに遠い話でもないんだ。初週売上で行けば、だいたい1/200〜1/100するとオリコン100位アルバムカバーできる。

http://www.syu-ta.com/blog/2007/10/24/202224.shtml

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/

1/100として、12000DL。27,000$。確かにCD2000枚売るよりは小さめか、同じくらいかも。でも単純に6倍のリスナー=潜在的ファンにリーチする。それに、コストも最小限だ。アーティストに入るお金としては、そんなに悪い数字じゃないんじゃないかな。

レコード会社プレス会社の人の給料とか、ビットレートとか、問題は確かにある。それに今回は「お祭り」だったし、といういいわけもできる。より小規模なアーティストの試算だって、乗数じゃなく指数的な減り方をするのかもしれない。

それでも、この事件をネガティブにだけとらえるのだけは、間違ってると思う。

すくなくとも、すごくエキサイティングな時代に僕たちが生きてる、ってことだけは断言してもいいと思うんだ。

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