はてなキーワード: 名もなき詩とは
ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとずっと言い訳をするのが好きで、理屈を説明するのが好きだったんです。
でまぁ、当時も今と変わらず誰からも話を聞いてもらえませんで、
鼻歌まじりにチンコいじりながら「話を聞いてくれる相手がいない」と文句言ってたのです。
増田で。
したらまた、はてなーが「じゃあ、わかった」と言うのです。「今からブログ書こう」と。
はてダにエントリなんかしたことないオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。
でもはてなーは、少し遠くで荒んでいる非モテのブログを指さし、「あそこ行って一緒にクダ巻こうぜ」と言い、入会を誘います。
オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。
はてなーは「嫌がられたら童貞プギャーって言って戻ってくればいいんだよ」と言ってましたが、オレがidとらないのでブコメをやめました。
「じゃあ、ライフハックで、一般人釣るか?」と友達は言います。
「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。
「でも聞き手がいないんだろ? だったら作るしかないだろ」と友達は口調を強めます。
「そうだけど、もっと普通のブログに書きたいっていうか」とオレ。
「なに、普通って?」
「なんたら記法とか、うんたら記法とか、そういうのがない…」とハッキリ言えない自分。
「じゃあ、オレが今から記法プリントアウトしてきて、それでお前に教えたらいいか? それも良いインターフェイスと言えるよな」というはてなー。
「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。はてなで書いてくる子って暗い子が多いとか」
「は?」
「その…」
「…暗い子じゃねぇよ。ホリが深い子だよ」
「あ、そうだったね。…でもオレ、ホリが深い子、少し苦手だし。そこまでしてブクマが欲しいってわけでもないし…」
はてなーはオレの顔をじっと見つめながら、一言、
「らめぇ」
と言いました。
彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
どうせ思想系に行けば「ポストモダンで引っかかるような子は…」って言うし、
技術系につれていけば「ああいう場のノリは苦手だし、そういうところに来る子と仲良くなれそうにない」とか言うだろうし、
ブロゴスフィアのかわいい子を狙えって言えば「いや、彼女とは電波の波長が違って高圧電流がないし白熱電燈」って何かにつけて言い訳するんだろ?
だったら「自分にははてダで書く勇気ないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。
そっちの方が、よっぽどクソエントリでもトラバしてやろうって気になるし、
つーか、id晒さずに、エントリだけ書いて、ブクマもらおうとするその魂胆がらめぇ、と。
あれは恥ずかしかったなー。すげぇ。恥ずかしかった。
その場は言い訳もできず笑ってごまかしたけど、家に帰ったら彼の顔とセリフが思い浮かんで、
布団の中で「でもさ、でもさ」と必死に言い訳考えてた。