はてなキーワード: ムーティとは
最近、youtubeで聞いてんだけど、昔みてみたかった映像が今簡単にみられるんだと、今ごろになって気がついた(遅すぎ)。若々しいクライバーのリハーサル風景とか(クライバーのこうもり序曲、ニューイヤーのより、ミュンヘンのライブ映像のほうがずっとすばらしい。下品でざっとしてるのに楽しくてウキウキする。これでなくては)。ああ、いい時代だなあ。こんなの、ただで見ちゃっていいのかな。
で、ウ゛ェルディの運命の力序曲の聴き比べをした。
http://it.youtube.com/watch?v=kJ-anabq2zM
ライブだからまだのってないのかもしれんが、たとえば最初のバイオリンのテーマをレガートで歌わせる理由が分からない。もうひとつのってこない。
次はカラヤン。
http://it.youtube.com/watch?v=dhmS5ILD5pA
冒頭の重重しい金管といい弦といい、分かりやすくて面白い。ああ、ここは神様だ、これは人間だ、ははあ女の子が出てきて恋をするけれども男たるもの戦さをして見えざる力と戦わねばならんのだな、ははあ、と筋が全部分かる。そういう風に演奏している。うまい。
で、トスカニーニを聴いてみたんだが。
http://it.youtube.com/watch?v=9JQvyg3kJ54
この映像は昔見たことがあって覚えてる。まあ、どうだったかなと気楽に構えてたわけで。
ところが、メニューインのインタビューなんかどうでもいい。コメント欄ではテンポの速さが議論になってるがもうどうでもいい。速すぎて弾けてないところがあるとかそれもどうでもいい。
金管は重重しい神というより厳しくて怖い感じがして、人間がそれに対抗するのだという意図がすこぶる明瞭、愛しい彼女が出てきてなんたらかんたらあって戦争もあって、最後の一番盛り上がるところ。5分8秒くらい、ここだ。ストーンとテンポを落とす、このあざとさ。あざといの分かってるのに、やたら感動してしまう。ムーティでもカラヤンでも、こんな感じはうけなかった。
よくよく聴いてみると、トスカニーニは無茶苦茶にテンポ動かしてるんだな。それでちっとも変に聞こえない。聞こえてくるのは、この音楽はこーだー!!!!お前らわかったかーーー!!!!の叫び声だけ。ほとんどハードロックだ、気持ち的には。
で、ベートーベンも聴き直したがやっぱりハードロックなんだねえ、これが。ワーグナーとか、バイロイト仕込みのせいか知らんがイタリア人のわりにワーグナーの響きになってて感心した。
いまこんな演奏はできない。このハードロック調ではオケのほうが多分に引いてしまう。気持ちでついていけない。
それをやったトスカニーニはすごかったんだね、きっと。ドイツ系の指揮者が日本では人気だけど、ああ、イタ公、なかなかやるじゃねーかって思った。