松崎村の登戸の茂助という家の娘が、梨の木の下に草履を残して消息を絶った。
何年か経った嵐の日に娘が帰ってきたが、その姿は山姥のように奇怪な老婆に成り果てていた。
老婆はその夜は村に一泊したのみだが、それから毎年やって来て、そのたびに暴風雨が起きた。
村人たちは困り果て、老婆が来ないように巫女や山伏に頼み、村境を封じる石塔を建てたことで、
老婆は来なくなったという。
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