2019-08-29

こうもり

子供たちがこうもりに石を投げて遊んでいる

宙を舞う影は、集まったかと思うと、さっと散って投げ込まれた石をかわす

行き先を失った石が、灯りだした街頭に当たる

黒く揺らめく川面に落ちる

低く月の登る空を走る

汗ばむ肌に絡む風を切る

石もこうもりも見えなくなるころ、子供たちは帰っていった

見えないこうもりが私の周りを飛び回る

私は、すっかり見えるようになっていた

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