・100メートル走
ところどころにまきびしなどをばら撒く。血がいっぱいでる。
100メートルという短い距離の中で繰り広げられる汗と涙と血の物語が観衆の胸を打つ。
・走り幅跳び
踏み台に針。砂の中にも針が。血がいっぱいでる。
あまりにも足を酷使するため選手人生で一回しか出れないといわれているが、
それでも虚空に血の軌跡を描きながら飛ぶ美しい姿は観衆の涙を誘う。
やり投げ。
槍にトゲがびっしり。たまに自分に刺さったりする。血がいっぱいでる。
どういう投げ方をすれば自分に刺さるのか。だがそれも芸術点として重要視されるので、
今ではいかに美しく自分に槍を刺せるかを競う競技といっても過言ではないかもしれない。
ハンマー投げ。
ほぼ同上。
・7種競技。
フルコース。血がいっぱいでる。
それまでの人生とその後の人生を全て賭けなくては成績をまともに残す事すら難しいといわれる
リョナリンピック最難度級の競技。それだけに世界中から熱い視線が向けられる。
・1500メートル
ところどころに罠がある。血がいっぱいでる。
「これ障害物競争じゃね?」という疑いから始まる論争は夏季オリンピックの風物詩。
論争が行き過ぎてたまに観客が血を流す事もある。
競歩。
特になし。
ぶっ倒れる選手は数知れず。ある意味もっとも血が流れる競技である。
水泳。
プールに鮫がいる。血がいっぱいでる。
「もうやめようぜ・・・これはリョナじゃねぇよ、ただのグロだよ」の声が昔から多数あがってるが、
根強い支持がたくさんあるのでかなりの歴史がある。鮫から逃れるべく必死に泳ぐ姿がたまらないらしい。
しかし最近では選手不足が叫ばれており、来季は外されるのではないか?と噂されている。
飛び込み。
「これは水泳競技じゃねぇよ!」という突っ込みをしながら観るのが作法。
そして観客は気づく。「選手は血の海というプールを泳いでいるのかもしれない」と。
シンクロ。
鮫がひしめくプールの中でどれだけの演技ができるのか。
鉄棒。
棒の表面にトゲがいっぱい。血がいっぱいである。
血を撒き散らしながら次々と技を決めていく姿はあまりにも圧倒的である。
たまに血で滑って頭から叩きつけられてしまうことも。
吊り輪
もちろんトゲがついてるし、輪がちょうど人の首が入るぐらいの大きさだったりする。血がいっぱいである。
夏季リョナリンピックで窒息の苦しみを拝める数少ない競技ということもあり、注目度はそれなりに高い。
床運動
床の下から槍が突き出たりする。血がいっぱいでる。
平均台。
とうぜんトゲがびっしりなので、両手両脚が真っ赤に染まる鮮血の体操である。血がいっぱいでる。
余談だがトゲの大きさや太さもきっちり平均である。
フープ。
フープが金属製で、刃が内側についている。血がいっぱいである。
説明はそれだけで十分だろう。真っ二つである。
かなりの確立でトランポリンが破けるようにできている。血がいっぱいでる。
「いつ? いつ破けるの? この高さでとんでるときに破けたら・・・!」
の表情がマニアックなファンの垂涎を誘う隠れ家的な競技である。
ウェイトリフティング。
ウェイトリフティングという競技とリョナをくっつけたら、どうなるか? 想像してみよう。
だいたいその想像通りのことが起きる。血がいっぱいでる。
射撃。
ウィリアム・テル。血がいっぱいでる。
あの細い剣で突っついてみたいよね! 血がいっぱいでる。
カヤック。
ワニが! ワニがいっぱいだよ! 血がいっぱいでる。
七種競技以上の地獄めぐり。血がいっぱいでる。
リョナリンピックの歴史上、いまだマラソンまで到達したものはいない。
というか自転車ですらまともに走ったことはない。漕ぐための足がサメに食われてるからである。
「主催者がリョナをわかってないんじゃないか? これじゃただのグロリンピックだよ!
リョナっていうのはなぁ、可愛い女の子が血を流したり苦しんだり触手でアレしたり食われて消化されそうになったり(以下自粛)」
という意見が近年になって目立ち始め、根っこの部分から揺さぶられつつある。
リョナリンピック開催委員会内でもリョナ派やグロ派といった派閥に分かれて、今後の運営を巡ってはかなり際どい政争まで起こっている様子。