2010-08-03

行旅死亡人数・特異不明者数から勘案すれば、超高齢者のうち数百人は失踪宣告漏れで「データ上生存」

ラフ計算

自宅・病院以外で死亡し、かつ身元が判別しない遺体

行旅死亡人」とされる。

これが、世間一般に想像される以上に存在する。

http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4b6896899d93ad6079bf38e3688b346c

によれば、

人口147万人の福岡市内で、10年間に行旅死亡人として市の税金火葬処理した人は154人」

となっている。

人口1.2億人の日本全国なら、10年間で1.2万人、1年間で1,200人だ。

で、仮に

「1980~1990年の10年間に発生した行旅死亡人数=全国で1万人」と

仮定する。

(多少当時の方が人口は少ないだろうから)

この「1980~1990年の行旅死亡人数」の中で

誕生年が1910年以前の行旅死亡人」、

これは1980年時点で「70歳以上」、1990年時点で「80歳以上」となるが、

これを年齢構成比で類推して「全国で500人」(比率5%)を仮定する。

つまり、行旅死亡人絶対数から考えれば、1980年代において、

「1910年以前出生者のうち500人が行旅死亡人になっている」と類推される。

「一方で行旅死亡人遺体が500体ある」のなら、もう一方では

「(当時で)70~80歳以上の人のうち500人が行方不明になっている」ということになる。

この中の大半は同居親族・親しい親族警察に捜索願を出して、それでも見つからないので

「失踪宣告」手続きがなされ、「死亡が擬制」されることになる。

しかし、一人暮らしの老人で、子孫はおろか兄弟がいない、又は絶縁状態、という場合

「失踪宣告をしてくれる存在がいない」ということになる。

行方不明」の場合遺体が異臭を放つわけでもないので、近隣も気付かないケースが多い。

これも仮定だが

行方不明老人の10人に1人が身寄りない単身老人で、失踪宣告してくれる親族もいない」と

仮定した場合

「500人の行方不明者のうち、50人は失踪宣告漏れで(データ上)存命」となる。

この「1910年以前生まれで、80年代当時70~80歳以上」というのは、

そのまま「2010年時点で100歳以上」となる。

つまり、計算上は「失踪しているハズなのに失踪宣告する親族がいないために

データ上生存していることになっている100歳以上老人」は50人いる計算になる。

勿論、「市当局が高齢祝い品を持って行ったのに不在だった」

民生委員が行ってみたら不在だった」ということで不在の事実がわかって、

その後「自治体の職権で失踪宣告した」という事例もあるかもしれない。

(50人より減るかもしれない)

しかし逆に、今回は「80年代行旅死亡人」に集約して試算したので、

「70年代に発生した行旅死亡人」「90年代に発生した行旅死亡人」とかも

含めていけば、逆に50人より増えるかもしれない。

そして、この「行旅死亡人」というのは「遺体発見された場合の話」である。

殺人等で「遺体が埋められ、そのまま誰にも発見されない場合」とか

「海に投身自殺して、海底深くに沈んでしまった」という場合は、この「行旅死亡人」には入らない。

日本国内で行方不明者は相当数出ているが、「捜索願が出され、かつ事件性が高い」場合

「特異不明者」と扱われる。

そしてその特異不明者数も、これまた想像以上に存在し、全国で34,000人/年程度はいるらしい。

つまり行旅死亡人の34倍だ。

先述の「非実在高齢者(100歳以上)=50人」というのは、計算の出発点が

行旅死亡人総数」だが、これを「特異不明者総数」を出発点にして計算すれば、

50人×34倍=1,700人となる。

なので、非常に荒っぽい計算だが、100歳以上の老人で、

余所で死んだのに失踪宣告されずに「住基データ上は生きている」人の総数は、

最低の計算でも数十人、最高の計算で数千人、

恐らく数百人に及ぶのではないか、という推計が成立する。

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