2010-07-20

h

8月25日>(水)

日本てのは変な国で、役所や大企業などの組織では、トップの意向よりもミドル層の意見の方が通ったりする。こういう意思決定システムは、やることが決まっていて、全体で一糸乱れずに動くべき時は、まことに有効に機能する。が、大所高所で判断する人が居ないので、長期的な視野に立って物事を決めるとか、物事が変になったときに後ろ向きの決定をする、てなことができない。終戦の決断がなかなかできなかった、なんてのはその典型であろう。

○そもそもミドル層というのは、調子がいいときは元気に働くけど、悪くなったときは自己防衛を図ったり、責任を他人に転嫁したりすることに忙しく、衆知を結集して途方もなく阿呆決断を下しがちである。その場その場の勢いやら、組織の体面やら、レベルの低いことで物事を決めてしまい、後になってから「あそこはああするしかなかった」などと弁解したりする。そんなのはトップの言うことではない。トップたるもの、歴史の評価をこそ怖れるべきであって、仲間の顰蹙やマスコミの雑音などは断固無視しなければならない。

○何が言いたいかと言うと、この期に及んで為替介入やれとか、金融緩和やれとかの大合唱は、典型的な「ミドルの発想」であって、後で振り返ってみると大概が後悔しそうな代物である。「そうは言っても、政府がここで何もしないわけにはいかないだろう」なんてゆーのが、そもそもトップの責任の重さを知らないミドルの発言であって、個として自立できていない人にありがちな発想である。モーサテのコメンテーターが言うくらいはご愛嬌だが、新聞社説なんぞにその手の言辞が出るようになったら警戒警報である。

○もちろん政治家日銀総裁などは、こういうときは「腹芸」や「涼しい顔」で乗り切ってもらわないと困る。記者会見をしている財務大臣の目が宙を泳いでいる、なんてのはサイテーである。悪いことは言わないから、与謝野さんあたりに来てもらって、「私はもう一回、副大臣をして学習いたします」と教えを請うてみてはどうか。ヨーダ宮沢仙人なんぞは、ああいうときの対応は惚れ惚れするくらいに上手かったぞよ。

○しみじみ日本というのは、ミドルから下は優秀なのだが、トップが育たない変な国なのである。そんな国で、トップが「政治主導」を唱えるというのも、あらためて考えてみると大それた話であって、やっぱり官僚が運転してくれるバスに乗っているのが彼らにはお似合いなのではないか。タクシーの運転手に向かって、「右へ行け、左へ行け」と偉そうに指図をした挙句、大渋滞にぶち込んでしまった愚かな客のことを、何と言って笑えばいいのか。というか、これってまったく笑えない話ではないか。

記事への反応 -
  • やんごとなき家庭内の事情により婚活を始めることにした。 思い立って一ヶ月半、だいたい流れがつかめてきたところで、これまでの経験に絡めて感じたことを列挙してみようと思う。 ...

    • 一昨年婚活して、去年結婚した者(男性)ですが 相手の選び方としては自分には向いていたなと思う。 まずやっぱりお互いのスペックを明示できるし、気兼ねなく聞けるので あとから...

    • 「どうしても結婚せねばならぬ」というのであれば、あまり考える余地はない。 時間内に誰かに決めるしかない。 もしできるとしたら、可能な限り候補を増やすことだけだ。 ネットで...

      • http://anond.hatelabo.jp/20100705002420 そうだね。 がんばらないと。 ありがとう、励まされた。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん