就職すると、寮に入ると聞かされていた。入ったら生徒の寮だった。生徒の寮に校長以下30人近い教員が住んでいるという凄い学校だった。朝6:15におき生徒に芝刈りをやらせる。芝刈りを自分でやるのではなく、やりたくない他人にやらせるのがこれほどきついとは思わなかった。8:15から学校が始まり、12:45から昼食なのだが給食を生徒と一緒に食べる、高校生なのに教員と一緒に食べるとは思わなかった。必然的に休みは空きの時間にとるが、1時間はない50分。そして放課後は部活動。6:00に部活動が終わるとまた給食を寮生と食べる。そして終わりと思ったら大違いで、寮の委員会活動というのがあって7:00位から始まる。その後生徒が勉強しているかどうか見回って10:00の消灯を確認して完全に仕事が終わる。日曜日はだいたい部活動があるのでとくに休める日はなかった。数年後に2週に一回土曜が休みになったので少しは休めるようになった。
よく労働基準局にチクる人間がいなかったなと思うが、中でやっていて同僚も一緒に寮にいると、それが当たり前に思えてきたから不思議だ。
今その学校も寮を縮小して寮監を置いているらしい。学校が脱法行為をしてはいけないというのが20年前はまだ分かっていなかったようだ。