2010-04-03

メタボ気味なのをからかいすぎたせいであの人は絶食ダイエットをしようとしているようだ。

いくら歳取ったといっても男の人は一日1500~1800kcalはカロリーを摂取すべき、少なくとも基礎代謝の分は食べないとやせないわ栄養失調になるわ不健康になるわでいいことがないという実体験を交えて話をした。

年下の自分があまりに一生懸命説明しているのが面白かったのかあのひとは終始笑っていたけど本当に心配なんだ。絶食とか。ないわ。

そこから話が弾んで、そのまま周りの人と飲みに行って、やっぱりたくさん話して、いい時間になったから楽しく解散して、駅の方向が一緒だったから帰途についた。東京駅付近の桜並木を指差しながらきれいと笑う。無邪気な顔で笑う。決してかっこよくはない、センスもよくはない、メタボだし、髪型もちょっと変だし。でもそういう無邪気なところも繊細なところもすごくすごくいいと思う。本当に。一緒にいると安心する。緊張したことがない。

もともと趣味が似ていて、あのひとがしばらく遠ざかっていた趣味に関して私が好きだと言ったから話をよくするようになった。またその趣味を再開するらしい。もともと気が合うけれど話がどんどん弾む。気付いたら、本当は違うはずなのに同じ電車に乗ってずっと話していた。最寄の駅につかないでくれとずっと祈っていた。でもそういう時に限って電車は飛ぶように早く見慣れた街にたどりついて私を吐き出してあの人を連れ去ってしまう。また次の日になれば会えるとわかっているけどさびしい。

知ってるんだ。私はあの人をすごく好きなんだ。あの人がどう思っているかは知らない。みんなと話しているときは目を合わせてくれないけれど二人で話しているときはちゃんと合う。その瞳の中には柔らかい光が宿っている。その心のように柔らかく優しくあたたかい光が宿っている。傷つきやすいその光は丁寧にくるまれてなかなか見ることができないけれど、でも知っている。あの人は本当に優しくて、とても頭がよくて、とても繊細な心を持っているということを。

どうかいなくならないでほしい。そばにいてほしい。そしてもっと話してほしい。あなたの話を聞かせてほしい。聞きたい。何重にも隠された心の中を、大切に守っているその思いを、知りたい。あなたを守りたいだなんて、多分笑われるってわかってるけど、本気だよ。好きだ。大好きだ。あなたのことが本当に。願わくば少しは私のことをよく思っていてくれますように。そして心の底から、誰かがあなたのその美しい心を踏みにじったりしませんようにと祈っている。

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