同期とメシを喰っていたときのこと。
そのうちの一人がした、
「俺いとうのいぢ好きなんだよねww」
という発言が、すごい印象に残っている。
今は萌え絵師が氾濫してそこらじゅうに有象無象と居るわけだけど、CGとしての塗りが普遍的じゃなかった頃((90年代末~00年代前半、PhotoShop 5.5~7のあたり))は、こつえーや七尾(の様な絵師)が飛びぬけて崇拝されていた時代、と個人的な記憶がある。
二大巨頭――とは少し言い過ぎかもしれないけど、二人は原画力と塗り技術が「両立」していた数少ない絵師だったと思うんだ。
原画力は時代に左右されない((流行り廃りはあれど、その時その時ニーズにあった人が重宝されると思われる))のかもしれないけど、塗り技術は当時、門外不出のものだったのではないだろうか。
だから、「一定レベルの塗り技術がある程度普遍的なものとなってしまった」今は、絵師の優劣は好みでいくらでも選べてしまうとも言える、と自分は思ってるんだよね。そしてそれは、「誰が好き」「誰が嫌い」と言えるってわけで。これは、とても幸せなんじゃないかな、と常々思う。
逆に言えば、今でも俺は先述した二氏の絵を(いい意味で)好きだし、当時こつえー・七尾崇拝していた世代と話すと、なんだかんだこの話題はアツく語れて楽しいものである。
00年代が終わってしまい、10年代が幕開けたわけだけど、00年と比べれば家庭用パソコンのスペックは10倍どころの騒ぎじゃない向上((10年前といえば、Pentium4がようやく発表された時代だ))をしたし、発表の場も増えた。切磋琢磨する環境が整って、同人誌はお金になるということもあり多方面から((判子技術や金太郎飴ストーリー、エロを絡める定番手法などのこと))技術を追求する銭ゲバもガンガン稼ぎにきている。
オタクカルチャー的に00年代は、「塗り技術の底上げと生産コストの改善」が行われた年代、といってもいいんじゃないかな、とか。え?俺だけ?