2010-03-18

非実在青少年等に関する話

まず、条例目的を明確に認識すべきである。

話が錯綜していて、何についてどのように法(条例)整備していくかが、整理できていない人がいる。

 

今回の条例目的は、青少年健全育成である。これはどういうことかというと、表現自体の是非ではなく、その表現青少年に与える影響が問題となってくると言う事。青少年を取り巻く環境を整えるのがその趣旨なはずなのである。

 

まず、今回の都の条例改正は青少年健全な育成に資するために行われる。そのためのアプローチをして、青少年を取り巻く環境を整備していこうと言う文脈で、今回の非実在青少年等の問題が遡上にあがっているわけだ。

で、実際の成年向け雑誌については、現在販売場をゾーニングして販売している。現在施行されている都の条例に置いても、既に「著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するもの」として都の基準において不健全な図書類を指定して、その販売について規制を行っているところである。

 

問題とされる図書は、上記の基準で十分指定できる範囲の物であると解するし、それらを含む成年向け書籍は、現実ゾーニングされて青少年が容易に触れることのないように流通されているものである。

まっとうな青少年環境に、これらの不健全な図書類は存在しえないのである。

なのに、これ以上の規制がどうして必要になるのか?

確かに、これらの図書の中には眉を顰めるような醜悪な描写は多数存在する。しかしそれは、分別あるとされる成人に向けて販売されるものであり、もとより青少年が消費することを目的としていないし、そうすることもないよう仕組みを作ってきている。

もう一度言う。なのに、これ以上の規制がどうして必要になるのか?

 

これ以上の規制が必要だとするならば、やはり規制しようとする側は現在以上の適用範囲を考えていると言うことであり、つまりドラゴンボールなりドラえもんなり、そういった今までは特に問題視されていなかった書籍規制視野に入れていると言うことである。(勿論、極論をあげているだけだが、実際にその危惧がないと言えるのか?都の担当者は、そんなことはないと言っているようだが、ならば何故、今までより適用範囲を広げるような条例改正を行おうとするのか)

 

こと、青少年健全育成の文脈で語る限り、今ある条例で必要な要件は満たしているのである。運用について不備があるならば、都が指導し改善すればよい。適用範囲も不明確な曖昧な基準を作ってまで改正を行う必要はないと私は考える。

 

ぶっちゃけて言おう。ってか、言え。規制を行おうとする側は、成年向けとされる分野の一部の性的嗜好について、存在自体が許せないってことなのだろう?年端もいかない少女に対して欲情するような存在が(それが例えこれまで犯罪行為をしていない者でも)、同じ社会で同じ空気を吸っているということ自体許すことが出来ないのだろ?

或いは、精通したばかりの少年母親に欲望の目を向ける漫画の存在を知って、かわいい息子が自分に対して同じ欲望を持っているのではと恐れてみたり、父親が抵抗できない娘を手篭めにする漫画を見て、愛する夫も同様の欲望を秘めているのではと恐れて、そんな可能性を見せ付けたそれらの表現自体が許せないだけだろう?

ならば、青少年健全育成などというお題目を持ち出さずに、面と向かって言えばいいじゃないか。「お前らいい歳こいて、マンガで欲情してるのはキモいんだよ」と。

1冊1,000円前後もする単行本を影響受けるほど集めることの出来る青少年なんて、全国探しても%の数字も出てきやしないよ。青少年が、これらの表現健全な育成を阻害される可能性はきわめて低いんだよ

 

 

と、フェアじゃないから、意図的に避けてきた部分について触れておきます。

少年誌って括りになるのかな?チャンピオンREDいちごとか、そのへんの疑似エロ系のマンガ。あの辺をスポットで狙い撃ちしようとしている場合は、ちょっと擁護が難しいのかな・・・と思ってます。明確にゾーニングされていない雑誌とかで、行き過ぎと思われる表現チキンレースのように繰り広げている作品群については、とにかく自重しろ・・・と思わずにはいられません。

もうひとつインターネットまわりの環境。これも明確にゾーニングが出来るとは思っていません。その気になれば、どこまでも知的好奇心を充足できる環境があり、フィルター等の有効性も限定的であると言わざるをえません。それでも、今回のネット周りの規制はなんとなくズレてる感を覚えずにはいられません。

あと、自分の観測範囲の問題でBLに関する考察はできていません。この辺は穴かも

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