2010-03-15

結婚詐欺に遭っていたんだが

お金を貸したときの借用書なんて作っていないし、実に微々たる額だが一部のお金を返してもらってもいたので被害届は受理されにくいと踏んでいた。

奴のせいで作った借金自体、新車購入を我慢すればいい程度の額だったので、セオリー通り泣き寝入りを決め込むことにした。

田舎者が無計画に上京した結果がこれだよ!

いちばん楽しかったはずの時期を結婚詐欺でフイにした。

今更、時間も、取られたお金も、失った仕事も信用も戻ってこない。

どう考えても手口が「クヒオ大佐」なのに、それに気づかなかった自分が憎い。

もしもタイムマシンがあったら、奴に会ったときに戻って自分をぶん殴りたい。

家族やたくさんの友人に「そいつおかしいよ騙されてるよ!」と諭されても聞く耳を持たなかった自分の顔面を力いっぱいぶん殴りたい。

けれど、過去を悔やんだって生産的じゃない。

奴と縁を切って、田舎に戻ってきちんとした企業就職した。

仕事では業績と意欲を認められた。期待されるのが嬉しかった。

新車ではないけど、車も買うことができた。

新しい友達もできた。恋愛はしばらく遠慮したいと思っていたが、いいなと思う人もできた。

経済的にも精神的にも奴に出会う前以上に充実しだした。

絵に描いたようなリア充の生活。

今の生活が楽しくて仕方ない。この生活をずっと続けていきたい。

青い鳥は本当にすぐそばにあったんだね。

そう思っていた矢先、奴が別件で逮捕された。

取調中に詐欺の実態が明らかになり、私にも連絡があった。

正直な話、今がリア充過ぎて、私の中では奴のことなんて風化しかけていた。

今更掘り起こされて、正直いい気分ではなかった。

けれど、連絡から数日経って、今になって思う。

詐欺泣き寝入りする人が大多数の中、自分詐欺被害をきちんと警察に事件と認識してもらったことは運がいい、と。

私自身にとって、これは過去にけじめをつけるチャンスなんだろう、と。

これから、警察に奴のこと全部話そうと思います。

取られたもの、失ったものが戻ってくるとは思ってないので、

奴が然るべき社会的制裁を受けることがこの件の自分の落としどころです。

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