たとえばこんな感じ。
山本始の日課はオナニーだ。朝のちょっと暇な時間、風呂に入る前、寝る前にムラムラしてきて…。いつでもいいけれど、一日一回はオナニーしないと落ち着かない。もちろん、二回も三回もオナニーすることだってある。ただし、山本は童貞であった。
山本の主なおかずは見知った女性たちのセックス動画だ。この国ではすべての女性のセックス動画が撮影・管理されている。10年前、セックス中に感じている演技をして男を騙す女性が多いことが問題視され、民○党政権により日本ではセックス中の映像を撮影することが法律で義務づけられたからだ。この法律を受けて、日本の男たちは持てる技術を結集して、人間がその時に見ている映像をそのまま出力できる機械を開発した。日本の技術はすばらしい。今や、日本中のすべての女性はAV女優である。
山本の今日のおかずは、経理の鈴木さんだった。昨夜は総務の田中さん。その前は隣の課の安藤さん。向いに座っている恵美ちゃんの動画で、何度オナニーしたかわからない。よく行く歯医者の歯科衛生士さんの動画なんて、相手の男がものすごいエロくてとても興奮した。
それでも中にはなかなか動画が手に入らない女性もいる。たとえばアイドルやテレビで見るような女優たちがそれだ。いくらセックス中の映像の撮影が義務づけられていると言っても、流出しないようにする手段はいくらでもある。近頃の山本が家にいる時間のほとんどを検索に費やしても未だ見つけることができていない動画は、新入社員の藤田真紀の動画だった。真紀は化粧が濃くてギャルっぽいメイクで、いかにも遊んでいる感じだったけれどそれが良かった。これなら、簡単に動画が見つけられると踏んでいたのだが。
山本は周囲の男性社員にそれとなくリサーチしてみたり、真紀の会話に注意を払って、なんとか動画にたどり着くためのキーワードを得ようとしていた。
そうこうしているうちに一ヶ月が過ぎた。真紀の動画は相変わらず手に入らなかった。そんな中、ある事実がわかったのは、飲み会の席に真紀が参加した時だった。酔った真紀とちょっとした話で盛り上がった。山本は自分がこんなに女性と親しく話せることに驚いた。真紀の方から自分に打ち解けてくれている感じがした。
「私、男の人と付き合ったことないんですよ。恥ずかしい話なんですけど」
そうだったのか。それで動画が見つからなかったのか。処女だからセックス動画がない。現代の日本では、男性経験がない20代の女性はほとんどいないので、その可能性には考えがいたらなかった。
そうとなれば俄然、山本は真紀に興味が出てきた。幸いにも、真紀は山本のことを完全に信用している。山本は飲み会の後、酔った真紀を介抱するように見せて連れだった。そしてそのまま真紀の部屋まで送り届けるという理由をつけて、まんまと真紀の部屋まで入ることに成功した。真紀に警戒するそぶりはない。その様子にすっかり山本はその気になった。女の部屋まで入った男がその衝動を抑えるのは簡単なことではない。真紀がベッドに腰掛けたところを押し倒して、嫌だ嫌だと言う真紀にのしかかり、無理矢理ことにおよんだ。
泣く真紀を怒鳴りつけて、これが世間にばれたらお前を見る世間の目はどうなるのかと言って聞かせ、山本は真紀を黙らせた。そして、これからも山本と会うことを強要した。
真紀の部屋を後にした山本をあっという間に警察が囲んだ。何がなんだかわからない山本に、警察はこう告げた。
「いやあ、若い女性がレイプされている動画が公開されているという通報がありまして」
面白かったw まぁそこまでいけば、普通にHできる気もしないでもないけど。