2010-02-04

そして後ろから撃たれる

コンピューターは大好きだった。

学生の頃からサーバーとかプログラムをやってたおかげで、SIの会社に入社してからはちょっとしたヒーローだった。

寝る間も惜しんで働いて、案件を片っ端からざくざく片付けた。

元々スケジュールも厳しいので納期優先だ。みんなそれを望んでた。

適材適所に合わせて効果的な言語環境フレームワークライブラリを選んで組み合わせた。

ライブラリフレームワークバグがあれば自分で直した。OSS万歳だ。

本もばりばり読んだし、勉強会にもたくさん顔を出した。

結果を残してきたつもりだった。

これがSEの生きる道だと信じてた。

そうして何年かが過ぎて、案件の山が落ち着いてきたころに異変が起きた。

周りが一斉に今まで構築したシステム保守できないと言う。うわ。顔がマジで怖い。

遊び半分でシステムを作られても困ると言う。デザインパターンフレームワーク趣味ですか。そうですか。

一から十まで書いてあるドキュメントや、コードの中身も手取り足取り教えてくれないと無理らしい。

技術を自慢したいだけなんじゃないかとか言う。自慢するならもっと別の使ったのになあ。

いやー、さっぱりわかんないんですよねー。という声があちこちから聞こえてきた。

今までがんばってきたことがばからしく思えてきた。

当時彼らは何をしてたんだろうか?

技術を覚えることよりスパゲッティの山と格闘することがお望みか?

標準化?標準生産性?一体「標準」って誰のことだ?

自分が出来ない理由を他人に求めてるようにも思えたが、もう何も言わないことにした。

過労と後ろから撃たれたダメージ病院に通い、ひっそりと会社を辞めた。

今?もちろんコンピューターは好きだ。でもコードはかけなくなった。思考が5分と続かない。

良くできる今年卒業学生の皆さんへ。どうか出過ぎないように。

頼れる仲間無しで、絶対に一人で本気出してはダメ。絶対。

  • こういう事態を避けるためにも、技術オタも少しは経済や経営について勉強するべき。

  • 共同作業というものはもっとも能力のない人間に合わせなくてはいけない場面がある。 エンタープライズ的なプロジェクトなど、関わる人間が多ければ多いほどコードは陳腐なものでな...

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