女のパンツが好きでたまらない。色、形、素材、レースのあしらい、豊富なデザインと性の匂い。単なる布を超越した、まことに魅惑的な服飾品である。といっても、デパートや下着専門店で金と引き換えにパンツを買うことなど、いっさい興味がない。まして、下着泥棒など言語道断である。物としてのパンツも好きではあるが、あくまで自分が面識を持った特定の女が穿いているパンツを、「あなたにあげてもいい」と言われて譲り受けることに、無上の喜びを感じるのである。
はてなダイアリーでブログを書いている。アドレスを掲げているので、メールを送ってくる人も多い。理由はわからないが、9割が女性である。下着のことを書いているわけでもなく、あからさまな出会い目的のブログでもない。男性も含めて、コンタクトしてきた人のほぼすべてとお会いした。打ち解けて、女の場合は、私は正直に欲望をぶつける。「君のパンツが欲しい」と。ほぼすべての女が、自分のコレクションの中の一枚を私に与えてくれた。いつも、飛び上がるほど喜んでしまう。表向きは下着とは関係のないブログではあるが、読者には見えないリアルでは、レースをふんだんにあしらったパンツ、情熱的な赤、少女を連想させる白、大人の黒、色とりどりのパンツが飛び交っているのである。
ご婦人の下着をいただくには、セックスすればよい。セックスさえ通過すれば、今のところ下着獲得率は100%である。会ったうちあいにくセックスに至らない場合もあるが、数える程度で、それでも食事したり映画を観に行って楽しんでいるので充分感謝している。
パンツを集め始めてわかったことだが、男の勝手な趣味にもかかわらず、どの女もみな協力的だったことだ。家に遊びに行って、パンツを下さいと頼むと、たいがい、クローゼットからあれやこれやと彼女たちの下着を床に広げて見せてくれる。何色がいい?このレースのやつは?あーんこの紐パンも欲しかったらいいよ、などと、すでに打ち解けた仲になっているからか、気前よく選ばせてくれる。泣きながら喜ぶ瞬間である。天にも昇る思いではしゃぐが、そんなことくらいでいいんですかときょとんとしていることが多く、いつも温度差を感じている。
パンツをもらうといっても、お願いしてから手渡されるまでは、あくまで彼女たちと関わる時間の累積の中で言えばほんのいっときだろう。こちらもパンツをもらう(もらった)以上は、恩返しがしたくなる。Aにはディナーをごちそうするとか、Bには逆に新しいパンツを買ってあげるとか(笑)、仕事偏重だったCは温泉に連れ出したり、Dはマッサージが好きだから風呂上りに時間をかけて指圧して体をほぐしたり、etc... パンツのためなら喜んでなんでもする。不思議と、パンツと引き換えにと露骨に金品をねだるタイプの女は一人もいなかったが、これは売春の一形態なのだろうか。私は、パンツという性的商品を通してそれぞれの女性と深い人間的交流があったように感じられた。
一人ひとりの女があたえてくれたパンツのおかげで、私はとても満たされた気持ちになっている。