2010-01-16

さらば、わがチャイナ

ttp://japan.cnet.com/blog/kurosaka/2010/01/14/entry_27036492/

単に「Google先生vs.中国様」というアングルで盛り上がるのも十分楽しいのだが、考えすぎることを生業とする私はもう少し問題は複雑だと思っている。というのも、中国様の特殊性というのは、ネット周辺でも本件に限ったことではなく、またそもそもネット以前のあちこちで見られる代物だからだ。

 

たとえばネットに関して言えば、実は従来から下位層やセキュリティのあたりでは話題になっていた。先に触れた検閲もしかりだが、ドメイン名レイヤー2/3あたりのプロトコル設計、あるいはルーティング設計で結構好き勝手やっている、というのはよく知られたこと。最近ではIETFITU周りの標準化でも暴れており、その界隈では結構頭の痛い問題となっている。

 

またIPアドレス枯渇問題とIPv6移行問題でも、中国世界から見て悩ましいポジションにいる。放っておけばIPv4アドレス中国が全部飲み込んでしまうし、取引解禁がアナウンスされた昨今では、彼らが札束でこれを買いにくる可能性は否めない。特にクラスAの一部は伝統的に個人(あるいはそれに近い団体)が所有しているものがある。目の前に金額欄の真っ白な小切手が置かれた時、何が起きるかは定かではない。

 

このように、何でもアリの「オレ様エコノミー」である中国を相手にしたビジネスは、率直に言えばリスクが大きいわりに、リターンが少ないまま終わってしまうということである。実際Googleでさえもそうした状況にある。つまるところ、中国企業以外は魂でも売らない限り、中国相手にろくなビジネスはできない、ということなのかもしれない。

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