2010-01-08

実技試験のある受験の思い出

センター試験が近づく今日この頃

ふた昔くらい前、私も受験生でした。

美術をもっと勉強したいと思っていた私は

かといって芸大に入れるほどの実力もなく

隣県の教育学部美術科を受験したのでした。

試験センター試験と二次試験を受けなければなりません。

二次試験国語英語(だったと思う)の筆記試験が半分

残り半分が実技試験の配点となっていました。

実技は石膏像のデッサンと静物の水彩画の2つ。

筆記試験に一日、実技に一日を費やします。

実技の場合はモチーフの周りに

受験番号が貼られたイーゼルが設置してあり

自分アングルを選んだりすることはできませんでした。

また、当然と言えば当然ですが、カンニングしても無駄なので

前の人の絵は丸見えに近い状態になります。

実際描いている時はバランスを確認したりするために

席を離れて見ることも可能でしたので

前の席の人でも後ろの人の絵を見こともできました。

本題。

私の斜め前の方の描き方を未だに忘れられません。

あなたは人の姿を描くとき、どこから描き始めますか?

絵を習っていたことがあれば、おそらくは

全体のボリューム(頭と身体の大きさのバランス)をざっと描く方が多いでしょう。

もしそうじゃなくても、輪郭を描く方が多いのではないでしょうか?

その方はなんと、服のシワから描き始めたのです。

実技試験のある学部は、その実技を重視するために

偏差値が低くなる傾向があるのですが

センター試験の結果でその低さを狙って

にわか美術志望者が結構多くあらわれます。

おそらく、その方もそのうちの一人だったのでしょう。

私はその描き方に気が動転し、自分の絵よりも

その方の絵が気になって仕方がなかったのでした。

私の気持ちをよそに、ちゃんと紙に収まるように

結局全体を書き上げたのには、驚きました。

試験の結果は私はなんとか合格しましたが

その方は合格することはできなかったようです。

実際合格した同級生で絵をちゃんと習っていない方は0でした。

やはりいくら勉強ができても入学はかなわないようです。

でも自分の絵は思い出せないのに、あの神がかったデッサン

いまだに忘れられないから面白いですよね。

しかし結果としては、大学勉強して

自分の才能の限界にあっさり気付いてしまったので

いまは無駄学歴だけを残してしまいました。

先生になろうとも思わなかったですし。

実技試験のある学科を安易に受けるより

ちゃんと勉強して行きたいところに行けるよう

努力した方がいいよ、という話。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん