学生の頃、仲良くしていた人がいた。
二人で飲みにいったり深い話もしたりして、俺は内面的にも通じるものがあると思っていた。
でも俺は同じ学科内で一度彼女を作って別れていて、もう学科内では恋愛をしないでいようと思っていた。
だから、新たに仲良くなったその人が同じ学科だということで躊躇が生まれて、彼女との関係が友達以上になっていくのを感じながら曖昧なまま誤魔化した。
彼女の気持ちもよく分からなかった。
はっきりと俺を好きという訳でもないように感じた。
何かを迷っているようにも見えた。
そうやって、俺は言い訳をして傷付きたくなくて、結局関係を誤魔化し続けた。
そうしているうちに、あるとき彼女は冷めた顔で俺を切った。
切ったというか、俺の存在を彼女の中から消したのだ。
俺の存在も俺との記憶もすべて彼女の中から消えてように見えた。
学内で俺に会ってもうっすらと会釈して会釈し終えたときには俺から視線が外れているような、そんな対応が卒業まで続いた。
そのときになって俺は、初めて自覚したのだ。彼女のことをとても好きだということに。
でも彼女は頑なだった。もう彼女の気持ちは終わってしまっていたのだ。
そういう関係になって一度だけ電話をして、無理矢理直接会ったことがある。
そして会って分かった。
彼女は俺を切ったということ。そしてその意思は決して変わらないということ。
彼女の中で何かを考え何かを判断し何かの結論を出し、もうそれで決めてしまっているのだということ。
彼女は冷めた表情で冷めた態度ではっきりと俺に距離を取っていた。
「好きだ」とは言えなかった。
彼女の冷めた態度は、俺の気持ちを薄々感じながらも告白させない、という空気を放っていた。
そして俺のことを話したら「それにはどうぞご自由に、としか言えない。だってあなたのことは私にとって他人事だから。」と冷めた声で言われた。
俺はその後同じ学科内で他の人と付き合い始めた。
そこまで好きな人ではなかった。
正直に言うと彼女への当て付けだったのだ。
一緒に勉強をし一緒に授業を受けて彼女に当て付け続けた。彼女の気を引きたかったのだ。
でも、彼女の冷めた態度は一瞬も変わらなかった。
そうして卒業を迎え、今は彼女がその後どうしているかも俺は知らない。
彼女はmixiもブログもやらない人で、同窓会にも出てこない人で、同窓会だけじゃなくて人が大勢集まるような飲み会には出てこない人で、きっと仲の良かった友達とは今でも会ってるんだろうけど俺には彼女の動向を知ってそうな人に聞く勇気もないから。
もう少しの勇気があのときあったら、と思う。
冷めた目で冷たく振られてもいいから自分の気持ちをはっきりと言葉にしてちゃんと伝え切ればよかったと思う。
付き合った女よりもずっとずっと未練が残っているのはそういう後悔があるからだと思う。
彼女と会わなくなっても、彼女と関わりのある人が同じ業界内にいて、その人から俺の情報がいくんじゃないかとか自意識過剰になって、俺は卒業後も少し彼女への当て付けとして恋愛をしてしまう。
ああ、そうだ。ここまで書いてはっきりと自覚した。今まで薄々分かっていて気が付かない振りをしていた。
俺は醜い人間だ。
人への当て付けに他人を利用して巻き込んで、結局他人もろともほんのり不幸になっている。
俺は醜い人間なんだ。
本当だね、そうやって自分に酔った自分だけ気持ちいい書き込みして その実「思わせぶりな態度とる女が悪い」「お前の気持ちに振り向かない女が悪い」って言われるのを望んでるんだ...
終わった恋愛に未練を残すのは男とメンヘル女だけだな。 賢い女はさっさと見切りを付けてあっさり次にいく。 増田のその女ももうとっくに結婚してそうだ。