2009-11-15

きくち November 14, 2009 @14:25:30

僕の意見は違います。

プレゼン側は「一位になれなければ、それを使ったシミュレーション研究でも決定的に遅れをとる」と「一位以外は無価値」としか受け取れない主張を続けました。

それに対し、仕分け側の趣旨は「二位だって、研究成果があがればいいではないか」です。

仮にそれが口だけだとしても、「一位でなければだめ」の一点張りでは説得できません。

れんほうの「二位になったときのリスクヘッジ」発言が取りざたされていますが、

文脈は逆で、彼女は「二位でもいいのではないか。どうしても一位でなくてはだめだというなら、

一位になれなかったときのリスクヘッジはどうなっているのか」という質問をしたわけです。

ここで「二位でも研究成果は充分に期待できる」と答えられなかったのが、すべてを決めたのではないでしょうか。

実際、計画通りに進んだとして、運がよければ一位になれるかもしれないけど、

なれても一瞬だろうということは、アメリカスーパーコン計画がわかった時点で誰もが考えたことです。

じゃあ、アメリカに抜かれた時点で無価値になるのか。

ですから、「一瞬の一位かもしれないじゃないか」という質問は当然です。

「二位ではだめだ」とプロジェクト側が主張してしまったので、

「じゃあ、一瞬の勝利のために、どんだけの税金を使うのか」という話になるわけです。

さらにいうと、「一位になれなければ日本研究は大きく遅れをとる」という主張を繰り返したので、松井孝典さんにも守ってもらえなかった。

ペタコンに話を限るなら、僕は仕分け側がたくさんのヒントを出したと思います。

ほかの事業に対する言いがかりのような発言に比べれば、非常に優しかったと言っていい。

ありていに言って、彼らは「この事業の本来の意義はこれこれではないのですか」と助け舟に近い質問をしていたわけです。

それに対して、「いや、一位を取ることだけが目標です」と明言してしまったプレゼン側は、いくらなんでもひどい。

あれを聞いて、「やっぱり一位を取ること以外は二の次だったのか」と再認識した研究者も多いのではないでしょうか。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1249777100#CID1258176330

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