2009-11-14

痴漢後遺症

不定期で約3年間、ずっと同じ人に痴漢をされていた。1年目,尻だけ触る。2年目、スカートをめくりパンツを触る。3年目、パンツをめくり中を触る。3年間何も言えなかった。3年目の春、勇気を出して捕まえた。18歳の私が出せる最大級の勇気を振り絞り駅員さんに突き出したその代償というか後遺症は9年経った今でも消えずにしっかり根付いている。

話が長いので割愛しながら書くと、事情聴取が進む過程で私はどうしても「犯人の家庭に関する情報」を聞くことになり、父親がぽつりと呟いた「相手の家庭を巻き込んで・・」という言葉が頭から抜けなくなった。悪い事をしたのは相手であるし法の下裁かれて然りである。けれども、捕まえた私は彼の人生を変えた張本人でもある。

あいつは憎い。私の性に対する価値観を歪ませた。普通にセックスはできるが、やはり常にどこか怯えている。私の人生を変えた。この逮捕をきかっけに発病した鬱病を抜け出しまともな人間に戻れたか、9年経った今でも答えは無い。とても憎んでいるのは事実だ。だから警察突き出した。逮捕してもらった。罪を償ってもらった。

けれども逮捕された彼の家族には罪は無いと思う。なのに私は彼を警察突き出したことで彼らの人生を歪ませた。あいつの奥さんは「エリート夫の妻」から「犯罪者の妻」へ、あいつの子供達は平凡な中学高校生から「犯罪者子供」へと成り下がり社会の風に晒されている。執行猶予がついたあいつは、今は前科持ちのただのおっさんだ。あいつが今何をしてようと私の知ったことではない。ただ、彼の家族が、特に彼の子供達が全うな教育を受け全うな人間になっているかどうかだけが気がかりである。

被害者は私なのに、何故か加害者の気分になることがある。性犯罪被害者として、加害者家族を考える事が一番苦しい。なまじ私が割と元気に振る舞っているだけに、申し訳なく感じる時もある。もちろん、強姦などの性犯罪ではここまでの考えにはならない程の辛さがあるはずである。けれどもこのような状況を経て苦悩を持ち続けている私のケースも、知っていて欲しいと思い書いてみた。

自分自身の性欲が抑え切れずに痴漢をするやつは、やっぱりどう考えても最低だ。被害者だけじゃない、周囲の人間をも不幸にするんだ。

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