2009-11-01

ゲイ漫画ボーイズラブ本質的な違い

誰得だけど。

ゲイ向けの漫画小説腐女子向けのBL本って、どっちも男性同士の恋愛を描くって意味で同一視されがちだけど、本当は全然違うものなんだ。

以下ではA/Bの相違について考察する。

性嗜好 本人の性恋人の性男同士男女女同士
ゲイ男性男性[A]ゲイ作品 - -
ノンケ男性男性女性 - 美少女漫画とか百合
ノンケ女性女性男性[B]ボーイズラブ少女漫画とか ?(*1)
ビアン女性女性 - - ビアン作品(*2)

*1 女性百合作品を読むことはあるんだろうか?ないとしたら、対称な表になるね。

*2 レズビアン向けの漫画小説には全く詳しくないのだけど、本稿の趣旨が正しければ、百合とは別物のはず。

1.目線の違い

ゲイ作品は読者が体験したいシチュエーションを描くけど、BLの読者は体験したいわけではなく、見ていたいだけ。

このことが具体的にどういう違いになるかというと、例えばノンケが誘われてゲイに目覚める話があった場合、ゲイ作品では普通ゲイ側が主人公になる。BLではノンケ側が主人公になることもあり得る。

2.リアリティの違い

BLは「現実を思い出させないこと」に価値があるから、大富豪とか、御曹司とか、現実離れしたシチュエーションでの作品が成立する。

ゲイ作品は「現実あったらいいな」と思わせることに価値があるから、少なくとも主人公は普通人間になる。

3.肉体か精神

相対的に、ゲイ作品は肉体に、BL精神に重きを置くらしい。

むしろ、関係性に萌えるのがBLと言ったほうがいいのか。ゲイ漫画に好みのキャラが一人出てきただけで萌えられるけど、BLでは必ず二人以上のキャラクターがいなければならない。

4.二者のキャラづけ

ゲイ作品にはタチとウケ(凸/凹)の2種類しかないが、BLでは攻めと受けの他に、誘い受けとか鬼畜攻めとかの属性がつく。

で、ゲイ作品では基本的にタチが積極的な態度を取るのに対し、BLではどちらが積極的かは決まってないようだ。

積極的消極的
攻め俺様鬼畜ノンケへたれ
受け誘い受 小悪魔健気受 姫受

属性の例。参考資料 http://www12.atwiki.jp/dh_bl2/pages/33.html

5.過剰な愛情表現

BL漫画愛情表現が濃い。「俺はお前が側にいなきゃ駄目なんだ!」と口に出して言ってみたりとか。

ゲイ漫画では、クサい台詞はリアリティがないから、モノローグとか表情・仕草で間接的に描写される。

6.友情と愛情

BLでは、プレーンな友情が恋愛感情に発展したりするが、ゲイ漫画ではそういうシチュエーションはない。

現実ゲイの視点では男性が「恋愛可能」と「恋愛不可能」に最初から分かれてしまうので、愛情が育つことはあっても、突然発生することはない。

7.男性の描写

当然だがゲイ作品にはゲイが好む男性が登場するのに対し、BLには腐女子にとって好ましい男性が登場する。

だからBLでは体毛はあまり描かれず、「綺麗な足」みたいなフレーズが登場したりする。

まとめ

同じテーマを描くように見えても、質的には、ゲイ作品は美少女漫画に近く、BL百合に近い。

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