2009-10-02

中国人東北地方出身)の名字観について書いてみるよ

最近選択的夫婦別姓制度はてなで話題になっていて、中国もちょくちょく話にあがるので書いてみた。

まずはわたしの履歴:

・出身は東北地方都市部(ご存知のように中国は広いので地方ごとに価値観言葉がかなり違うのでこれを明らかにしておかないと始まらない。でもこの文章ではいちいち「わたしの出身地では〜」と書くのも面倒なので「中国」で済ませてしまっている。申し訳ない)

小学生までは中国で、中高大学日本で親と一緒に過ごしている

永住権獲得済み(日本国籍になる予定はなし)

現在院生

という背景を持った女子の話。

さて、中国では一文字の姓が多いので、他人を名字のみでは呼ばないのが普通である。呼びにくいことこの上ないし、相手にとっては失礼にも当たるからだ。

そこでどう呼ぶのか?まずポピュラーなのが、名字の前に「小」、「老」とつける呼び方。例えば張芸謀なら「老張」、姚明なら「小姚」となるわけ。日本語の「さん付け」「くん付け」「ちゃん付け」みたいなものである。また、日本で「田中先生」、「佐藤コーチ」と呼ぶように、「張老師(張先生の意)」、「姚教練(姚コーチの意)」という呼び方も可能。

また、目下の者や同輩をフルネームで呼ぶことも一般的だ。ただし、これは二文字の名前に多く言えることで、三文字になればすこし長くなるので単に「芸謀」というように下の名前のみで呼ばれることもままある。二文字ならば、下の名前で呼ばれるとなんとなくくすぐったい感じがする……より愛称に近いような。これには理由がある。中国では、同じ名字の人が日本よりも多いのだ。例えば小学1年生のときのわたしのクラス(40人単位)には、5、6人の李さんがいた。このひとたちを区別するためには、フルネームで呼ぶほかない。

以上を理解してもらった上で、ようやく夫婦別姓の話になる。

中国では夫婦別姓が取られているが、子は自動的に父親の姓を受け継ぐことが多い。勿論兄弟姉妹で姓が別々にあるケースもあり得るが、一人っ子政策が実行されている現在はこれもあんまり現実的な話ではない。また、先ほども言ったように同じ名字の人がたくさんいるので、同じ名字同士で結婚することも珍しくない。実際私の母方の祖父母はどちらも名字が「李」である。この場合、夫婦別姓とは言っても見た目は夫婦同姓と同じだ。

では、もしも中国結婚した際に夫もしくは妻の名字を選べばどうなるか?これはもう、ひどくややこしいことになるに違いない。名字フルネームで呼ばれることが一般的なので、呼び方を変えてもらうには相当な努力が必要だろう。

こんなのがわたしの中国での名字に対する印象である。

余談だが、日本大学まで通ってしまっている上に今現在恋人日本人なので、わたしはおそらく日本結婚することになるだろうが、名前が「姚明」のように二文字なので夫婦別姓が選択できるようになるとありがたい。日本名字中国名前は当たり前だけどあんまり相性がよくない。

とまあ、そーなのかーと思ってもらえたら幸い。

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