どのチームもディフェンスを強化している為か、オフェンスが苦しんでいる。その中で、なんとかディフェンスをコントロールしようとすると、オフェンスチームがワイルドキャットフォーメーションを多用するという展開になる。しかも、ランニングバックが、受け取ったボールを、クオーターバックの代わりにワイドレシーバーにパスを投げるという展開を混ぜると、かなり効果がある。
ディフェンスは、ショットガンフォーメーションの対策であるブリッツパターンを取ると、パスターゲットのマークがゆるくなってしまい、ロングパスを通されやすくなる。
それを防ぐ為に、クオーターバックとランニングバックの両方にブリッツをかけるというパターンと、パスターゲットへのマークをきつくするという展開があるが、このどちらも、今度はミドルレンジへのランニングプレイを防げなくなる。
敵のディフェンスチームが強く、オフェンスのラインだけではクオーターバックを守りきれないならば、オフェンスラインの人数を減らして、その分を攻撃に回す事で、結果的に、ディフェンスチームのプレッシャーを無力化するという発想である。
何をしてくるかわからないオフェンスを押さえ込まなければならないというディフェンスチームのプレッシャーは、意外と大きい。そこで、ディフェンスチームは、オフェンスの攻撃パターンを限定する為に、ブリッツを弱くしてパスターゲットを潰し、オーソドックスなランプレイに誘導して時間をコントロール。攻撃回数が増えて集中力が切れてきた隙を見てブリッツというパターンになる。
もちろん、敵のオフェンスがワイルドキャットから予想外のパスというトリックプレイをやれないということがわかっているならば、早々に潰して攻撃権を奪い、味方のオフェンスチームに自由にやらせるという展開もありえる。
バリエーションを多く持った方が有利になるのがフットボールの特徴である。どんなプランでも、選択肢を持っておくと、戦力が近い状態であればあるほど、有効に使う局面が生まれてくるのであった。
[2009.9.24] http://www11.ocn.ne.jp/~ques/diary/diary.html