http://d.hatena.ne.jp/kawango/20090626/1246030883
「経済学的に正しい」っていうのは、本来的には「有形/無形の障壁なければ長期的にはそこに収束する」という意味(≒予測)であって、「倫理/道徳的に正しい」という意味ではないんだが、経済学をかじった人の中に後者に近い意味で主張する人が多くてから困ったもの。
あと、著作権(文脈的により正確には著作財産権)が「経済学的に」社会にとって有害なのか有益なのかは、前提とするモデルによって(特に静的or動的で)全く反対の結論が出ることは十分にありえるので、「有害」と断定するのはちょっと無理があると思う。ちなみに「有益」な部分というのは、著作財産権がなければ工面することが難しい商品の再生産に必要なお金を稼ぎやすくなるので、著作財産権があることによってより質の高いコンテンツが生産されて消費者もハッピーみたいなところ。
ただし、逆に現行の制度がトータルのプラスマイナスでみて「有益」と断定できるかと問われればそれも微妙で、特に権利期間に関しては、社会的に「有益」な範囲を大幅に越えている可能性は十分にある思う。一部のロングセラーを除いて、作品の売上の大半は発売から1年以内だろうし、何よりも短期的に回収できる売上しか再生産に役立たなさそうだから。
※追伸: つーか、池田信夫先生の該当しそうな記事(http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/70fad22f40bdebcdf8b188c0a103bdef)を読んだら、↑↑と同じく期間の延長に対しての反対じゃん、『著作権なんてみとめるのは社会的に損失だと主張』なんか言ってないじゃん。