夕方に前通ったら、おじさんが首からボードぶらさげて、中をにらんで立ってた。
正直、草彅くんが裸になって困ったこと絶対一つもないだろ。お前。
なんなの?ひまなの?趣味なの?草彅よりてめーが腹立つんだけど。
てか営業所の前で抗議とか効果いっっさい無いよ?本社いけ本社。バカなの?
と思った後、なにか納得できないことがあったとき、僕は何をするかなと考えた。
僕は、多分抗議とかしないだろう。なぜなら一人で変えられる訳ないとおもうから。
怒って、何かしようと考えて、そこでふと思う。「ちっぽけな俺が動いたところで、一体何が変わる?」
だんだん「所詮・・・」とか「無駄・・・」とかそんな言葉が浮かんできて、諦める。
あぁそうか、と受け止めたふりをして、そういうもんだと納得したふりをして、諦めるんだろう。
一人でも戦ってるおじさんのほうが、僕なんかよりもなんぼかマシじゃないか。
帰り道、おじさんはもういなかった。おじさんは、横のコンビニで立ち読みをしていた。
あぁそうか、と受け止めて、そういうもんだと納得することにした。
ぼくはこれからも多分、いろいろ諦めていくんだろうと思う。そんな気がした。