民主党で鳩山由紀夫新代表が選出されたが、政府・与党では「原理主義の岡田克也副代表よりもくみしやすい」(自民幹部)と冷ややかな受け止めが大勢を占めた。だが、小沢一郎前代表の影響力が続くとみられるだけに、今後の国会対応などに不透明な要素も多い。「愛」を前面に打ち出す鳩山民主党に対し、次期衆院選に向け、どう対立軸を作るかも焦点になる。
[フォト]新代表に選出され一礼する鳩山由紀夫氏
「小沢体制の継続という感じもする。西松建設の違法献金事件のけじめをどう考えるのか。(鳩山氏は)大したことないように言うが、われわれは大したことだと思ってる。しっかりけじめをつけていただきたい」
鳩山氏の新代表就任を受け、自民党の細田博之幹事長は松江市内でこう述べ、今後も違法献金事件を徹底追及する考えを示した。公明党の太田昭宏代表は「体制が代わっても政治とカネの問題で、その責を免れるものではない」、河村建夫官房長官は「逃げずに正面から論戦に挑んでほしい」と注文を付けた。
森喜朗元首相は「まあ用意周到な予定通りの行程だったのかな。もう1週間代表選が長かったら結果は分からなかっただろうね。鳩山さんは小沢さんにつぶされてしまうのかな…」と冷ややかに語った。
だが、小沢氏の「影」がつきまとうことは、国会運営や選挙対策で小沢流の老(ろう)獪(かい)さが継承されることを意味する。加藤紘一元幹事長は「小沢氏の影響力が残るということはねじれ国会の困難が続くということだ。気を緩めてはならない」と警鐘を鳴らした。
一方、鳩山氏の弟である鳩山邦夫総務相は「非民主的な方法で代表を選んでしまい、みんなが『小沢パワーで代表になった』とみているのだから、兄は脱小沢で命がけで頑張ってほしい。理念や政策を共有していけるならば兄弟共闘したい」とエールを送った。
敵に歓迎されちゃいかんだろ。