TENGA EGGが甚大なる衝撃とともに発売されてから4か月が経過した。そしてその間に、われわれの社会は水面下で大きな変貌を遂げた。
TENGA EGGはこの社会になにをもたらしたのか。一言でいうならそれは、「変態の一般化」という名の“革命”だ。
どういうことだろうか。この変化について理解するためには、まずEGGの革新性について知る必要がある。
TENGA EGGはただのオナカップではない。手軽に使えるオナカップという枠にとどまらず、それはポータブル・ザーメン・コンテナーでもある。キーワードは「三安」だ。
安全――内容物を露出・漏出することなく注入・輸送できる。
安価――1個たったの500円、しかも何度でも使える。(※使い捨てと称されているが、実際には洗えば繰り返し使用可能)
安心――外見から内容物を悟られる可能性がきわめて薄い。
これまでの精液輸送業務は多大な危険と負担と不安とを従業者に負わせるものだった。それは一般にコンドームなどを用いて行われるものだったが、いずれの手段もこの「三安」を同時に実現できるものではなかった。
たとえばコンドームは日本が世界に誇る品質だけあって、輸送中の漏出の危険は存外低いものであったが、使い捨てゆえにコストパフォーマンスはそこまで優秀なものとはいえなかった。なによりも外見が致命的なまでに不審である。
あるいは注射器を愛用する者もいた。これは一見、「安全」と「安価」を両立できるようなアイテムに思われるかもしれない。しかしながら実際のところは精液の注入が大きな手間となるし、やはりフォルムの怪しさはいかんともしがたい。
TENGA EGGは精液の採取から密封、輸送、放出までを一手に担う、変態界のジェネラリストだ。しかも見た目はただの卵。事前事後の露見のおそれは驚異的に低下する。ただTENGA EGGをドラッグストアで購入し使用するだけで、誰でも気軽にお手軽に"BUKKAKE"を実行できるのだ。街角で、電車内で、オフィスで。
その登場でBUKKAKE事業参入のハードルはぐっと下がった。誰でも一度は思ったことがあるだろう。「あの娘にかけてみたい……」と。でも思いとどまったはずだ。手順の煩雑さにうんざりして。犯行後の社会的制裁を恐れて。下は小学生から上は後期高齢者まで、この幅広い潜在的需要に応えた結果としてTENGA EGGは生まれた。
実際、TENGA EGGの発売後、電車内・駅構内での被害事例は急増の一途をたどっているという。これまで秘めたる欲望を抱えながらも実際の犯行には及べなかった「潜在的変態層」へのインセンティヴとしてTENGA EGGは働いているのだ。
“革命”は着々と進行しつつある。
実際、TENGA EGGの発売後、電車内・駅構内での被害事例は急増の一途をたどっているという。[要出典]