2009-03-04

イスラエルの連立工作進まず、リクード主導は頓挫中

ネタニヤフ次期首相中道右派政権を構想、対立政党と連立を模索

イスラエル総選挙からすでに三週間が経った。

だがエルサレム政局は度し難く混迷の度を深めている。

第一党となったのは与党カディマ」だが、第二党「リクード」との議席差わずか、一議席イスラエル国会は定数120)。

基本的には第一党の党首が連立工作の主導権を握り、ほかの政党との話し合いを始めるのが通例だが、今回はそのしきたりを破ってペレス大統領は、リクードネタニヤフ党首(前首相)に組閣を命じた(憲法による)。

理由は大筋で右派連合議席数が左派連合より多いからだ。

ネタニヤフは、「大連立」構想が重要であるとして、対立する「カディマ」と最初に交渉を開始した。カディマ率いるのは女性外相のリブニ。美人でもある。

だが、ネタニヤフと会談後、リブニは「カディマ連立政権には参加しない」と繰り返した。

第四党に転落した「労働党」はバラク党首(国防相)が、「連立参加の見込みはある」としているものの、即断も出来ず、また第三党に躍進の「イスラエル我が家」というタカ派政党とは水と油関係で、バラクは、依然として世論の動向を見ている。

一方、引退表明しても、まだ首相の座に偶然居座るのがオルマルト首相だが、汚職事件で起訴される可能性が高い。

オルマルトは、米国ユダヤ富豪・タランスキーに便宜を図った見返りに賄賂を受け取った疑惑がある。

ネタニヤフはリクード幹部会でハマスロケット砲撃と経済危機に対応するためにも「大連合的な強力内閣組閣するのが国民要請である」として、中道左派を含む連立内閣構想をまだ模索している。

 このイスラエルの連立工作、明日の日本政局の縮図かも。

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