ヨーロッパで日本がどう認識されてるかというと、日本すげーとは思われてないですな。ワーカホリックでお金持ちで、というのが一般的。それも微妙な意味で。日本っていうと、手を合わせておじぎしたりする、いや、それ日本じゃないからって。ネット的には、なにかと日本すげーってなネタが出てきますがね。ま、そんなことはない。
年寄りになると戦争の話をする。こっちも知識がないわけじゃないからお付き合いします。飲みながらね。国によるが、第二時大戦んときは日本はよくやったんだという人もいる。あるいは、地下鉄に乗っていたらいきなり絡み出すジジイもいる。国による。
ネットではアニメマンガという。まあ、たしかにそうです。人気です。若い人には特に。それから、北野武の映画。そして何よりも今あついのが、風雲たけし城。タケシキタノはサイコーだという。
でもこれは、日本すげーっていうんじゃない。ああ日本人も人間だなって共感されている。仕事ばっかりしててお金持ちなだけが日本人じゃなくて、自分たちと同じように感じて、恋愛もして、そしてバカもやって笑ったり。なんだ、おんなじ人間じゃんって。日本のものが若い人たちにうけているって、そういうことだ。
そういうソフトイメージが広まりつつあるっていうのは、すごくいいことだと思う。風雲たけし城ひとつで会話ができて、僕もバカをやりながら、そして友達も作れる。だから、マンガにもアニメにも、そしてビートたけしにも風雲たけし城にも、心から感謝している。本当だよ。
だけど、これって日本すげーって意味じゃない。人間は人間だって当たり前のことを言っているに過ぎない。ま、それはそれで凄いことでもあるが、でも勘違いしちゃいけない。日本だって普通の国だし、日本人だって普通の人間だ。日本すげーっていうのじゃない。
別方面から。たとえば日露戦争。いまでもトーゴーって叫ぶジジイがいます。あのころイギリスが極東の日本と同盟しただけでも列強は驚いたそうだが、日本がロシアに勝ったというイメージ(その実質はともかくとして)の影響力は当時かなりのものだった。そこから、第一次大戦後のウ゛ェルサイユ会議では、英米仏伊の次が日本だった。明治維新からたかだか50年、よくやったもんだ。そこは、別に卑下してみせることはないと思う。
でもね。日本すげえってのはみっともないんだ。アメリカすげえと露骨にいうアメリカ人は痛い、イギリスすげえと態度で示すイギリス人はおちょくりの対象、フランスすげえと頭が高いフランス人は嫌われ。それと同じこと。日本すげえと思うのは個人の自由だが、それでなお普通でいる。過度に卑屈にならず、たかぶらず。この感覚が大事なんじゃないか。