2008-12-21

はてなボトル〜夢の藻屑〜

はてなボトル」というサービスが、かつて存在した。

ボトルに相談を詰めて、海に流すというもので、受け取った人は、30分以内に答える。24時間たって誰も回答しないと、そのボトルは海の藻屑となってしまう。

ボトルサルガッソーには、今も多くの藻屑が漂っているという。

ユニークな試みだったにもかかわらず、残念ながら成功したとは言えないだろう。

ならば、なぜ成功しなかったのか。その点を少し考えてみたい。

 

(1)はてなメッセージ使用

敗因として第一に考えられるのは、はてなメッセージを使ったことではないか。

はてなメッセージは気まぐれなサービスで、30分以内にメールが発信されるとは限らない。だから、ボトル漂着を知らせるメールが30分以内に届くとは限らない。

つまり、回答期限を過ぎてからメールが届くことになる。

ただでさえ一人しか回答権がない仕組みなのに、その一人にすら届かないのでは、ボトルはどんどん藻屑になってしまう。藻屑ばかりでは、相談する気にならないだろう。

  

(2)大喜利かどうか

本気の相談と大喜利の区別が付きにくかったことも、マイナス点だ。

一応、「JOKE」というジャンルはあったが、それ以外のジャンルでも大喜利を期待する相談や、大喜利のつもりの回答は多かった。

相談と回答がうまくかみ合うと心地よいが、そうでない場合にはぎくしゃくしてしまう。

 

(3)派手なデザイン

あのデザインも問題だろう。

30分以内の回答を求めるなら、もっと地味なデザインにすべきだった。あの派手なデザインでは、仕事中に見ることは不可能だ。

会社勤めのユーザーは、一日の半分を会社ですごす。その間に回ってきたボトルは全部そのまま次に回されてしまう。藻屑率が高くなってしまうわけだ。

 

(4)一時的な停止機能がない

一時的に海岸を離れるという機能がなかった。

海岸を離れた場合、戻ってきた場合にユーザー設定をもう一度やり直す必要があったので、睡眠のたびに海岸を離れるようなユーザーはあまりいなかったろう。

寝ている間や会社に行っている間にも、ボトルは来てしまう。そしてそこで30分のロス。24時間経過して藻屑になるまで、見てもらえる確率はとても低い。

 

(5)スルー機能がない

相談内容が理解出来ない場合など、スルーしたいと思ってもスルー機能が無く、結局30分浪費してしまうことがあった。

そういう場合は即座にスルーする機能があってもよかったのではないか。

 

とりあえず思いついたのはこんなところなのだが、他にもあるかもしれない。

この失敗を糧に、さらにおもしろいサービスを創り出して欲しいと願う。

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