何か、はわからないけど
何かが特別で何かが大切で
大好きだった。
少しの時間だったけど
たくさん私を満たしてくれた。
前彼との付き合いで
大変だったわたしを
好きになってくれて
構ってくれて
仕事でも真摯に接してくれて。
段々、惹かれて行った。
最終的には、前彼と別れて
次の日に
あなたと付き合いたい
と伝えた。
気持ちが大きくなって、我慢できなかった。
驚いてすぐに答えを出さなかったあなた。
同じ職場であることを気にして、
あと、多分、自分の気持ちと相談して
答えは待ってくれ、と言った。
でもその週のうちに付き合うことになって。
嬉しかった。とても。
あなたの不器用な優しさが
疲れていた心にしみて。
わたしはきっと、わがままだったんだね。
2ヶ月くらいで
だんだんと
かみ合わなくなって。
なんどか段階を踏んで
さよなら、となった。
もう、好きにはなれないと思う。と言われて。
そのあと、何度か会った。
デートして泊まったことも、
夜中に突然電話がきて、家に来たこともあった。
ただの気まぐれだよ。
さみしいだけじゃん。
最低な男だよ。
ちゃんとしなよ。
色々言われた。
確かにそうだと、思った。
でも、まだ。
私はまだ、踏み切れない。
未練と、贖罪のために。
刺さったナイフは
刺すときよりも抜くときに傷をつける。
ナイフのように
深く刺さった気持ちがまだ抜けないから
私は、思い出のある場所を
週末になると無理やり歩いて
ナイフを抜き続けている。
でもすごく難しくて
抜けずに失敗したりする。
何回か繰り返せば
そのうち抜けるのかな。
慣れてきて何でもなくなっちゃうかな。
ナイフが刺さってることを忘れちゃうかな。
そんなことを思って週末を過ごしてる。
同じ職場だから
平日なんて
ナイフが毎日刺さって血だらけだ。
でも、頑張って、普通にするように、している。
たとえ、彼の新しい好きな人、が
同じ職場にいるとしても。
思い出を美化してる?
いろいろ後悔してる?
逃した魚は大きい、っていう錯覚?
いくらあなたがひどい人でも
たいした男じゃないとしても
わたしは好きだと思う。
あなたを悪く考えて、嫌いになることができない。
いっそそう思えればいいのに。
それだけ、
あの短期間で
あなたからもらったものが大きかったんだと思う。
消えれたらいい。
いっそのこと。
前彼を傷つけて。
あなたを傷つけて。
自分も、傷ついて。
いいとこなんて、ない。
仕事にうちこんで紛らわそうとしても
時々涙がこぼれてくる
もう限界なのかな。