ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとずっと言い訳をするのが好きで、理屈を説明するのが好きだったんです。
でまぁ、当時も今と変わらずデスマーチがへりませんで、
アジャイル信者と飲みながら「いいプログラマがいない、だからデスマーチがへらないんだ」と文句言ってたのです。
進捗報告会議で。
したらまた、このアジャイル信者が「じゃあ、わかった」と言うのです。「今からプロジェクトのやりかたを変えよう」と。
プロジェクトのやり方を変えたことなんかないオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。
でもアジャイル信者は、少し遠くで打ち合わせしている2人組のプログラマを指さし、「あそこ行って一緒に検討しようぜ」と言い、席を立ちます。
オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。
アジャイル信者は「嫌がられたら戻ってくればいいんだよ」と言ってましたが、オレが動こうとしないので行くのをやめました。
「じゃあ、海外発注して、オフショア開発にしようか?」とアジャイル信者は言います。
「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。
「でも時間がないんだろ? だったらやり方を変えるしかないだろ」とアジャイル信者は口調を強めます。
「そうだけど、もっと普通にやりたいっていうか」とオレ。
「なに、普通って?」
「ウォーターフォールとか、Vモデルとか、そういう…」とハッキリ言えない自分。
「じゃあ、オレが今からテスト仕様を具体化してきて、それでお前に渡したらいいか? それも時間の削減だよな」という友達。
「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。ドキュメント作らないやりがあるとか」
「は?」
「その…」
「…ドキュメントを作らないじゃねぇよ。無駄なドキュメントを作らないだよ」
「あ、そうだったね。…でもオレ、ドキュメント書くの、少し苦手だし。そこまでしてプロジェクトのやり方変えたいってわけでもないし…」
「だせぇ」
と言いました。
彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
プロセスを変更する勇気もないやつが、時間が無いとか言うんじゃない。
どうせオープンソースのライブラリを使えば「オープンソースは保障がないから怖くて使えない…」って言うし、
スパゲティコードを変更しようとすれば「動いているコードに手を入れるプログラマとは仲良くなれそうにない」とか言うだろうし、
開発プロセスを変更しようと言えば「いや、いままでこのやり方でやってきたし」って何かにつけて言い訳するんだろ?
だったら「自分にはソフトウェアを開発する技術力がないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。
そっちの方が、よっぽど何かってときに力になりたいってと思うし、
つーか、できない理由並べて、今の開発プロセスやスパゲティコードを変更させずに、バグをなくしてもらおうとするその魂胆がだせぇ、と。