2008-09-26

「要は、勇気がないんでしょ?」で始まるデスマーチ

ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとずっと言い訳をするのが好きで、理屈を説明するのが好きだったんです。

でまぁ、当時も今と変わらずデスマーチがへりませんで、

アジャイル信者と飲みながら「いいプログラマがいない、だからデスマーチがへらないんだ」と文句言ってたのです。

進捗報告会議で。

したらまた、このアジャイル信者が「じゃあ、わかった」と言うのです。「今からプロジェクトのやりかたを変えよう」と。

プロジェクトのやり方を変えたことなんかないオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。

でもアジャイル信者は、少し遠くで打ち合わせしている2人組のプログラマを指さし、「あそこ行って一緒に検討しようぜ」と言い、席を立ちます。

オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。

アジャイル信者は「嫌がられたら戻ってくればいいんだよ」と言ってましたが、オレが動こうとしないので行くのをやめました。

「じゃあ、海外発注して、オフショア開発にしようか?」とアジャイル信者は言います。

「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。

「でも時間がないんだろ? だったらやり方を変えるしかないだろ」とアジャイル信者は口調を強めます。

「そうだけど、もっと普通にやりたいっていうか」とオレ。

「なに、普通って?」

ウォーターフォールとか、Vモデルとか、そういう…」とハッキリ言えない自分。

「じゃあ、オレが今からテスト仕様を具体化してきて、それでお前に渡したらいいか? それも時間の削減だよな」という友達。

「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。ドキュメント作らないやりがあるとか」

「は?」

「その…」

「…ドキュメントを作らないじゃねぇよ。無駄ドキュメントを作らないだよ」

「あ、そうだったね。…でもオレ、ドキュメント書くの、少し苦手だし。そこまでしてプロジェクトのやり方変えたいってわけでもないし…」

アジャイル信者はオレの顔をじっと見つめながら、一言、

だせぇ

と言いました。

ちゃごちゃ言ってるけど、技術力がないだけじゃん

彼は言います。

言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、

技術力がない自分を必死になって正当化してるだけじゃん、と。

プロセスを変更する勇気もないやつが、時間が無いとか言うんじゃない。

どうせオープンソースライブラリを使えば「オープンソースは保障がないから怖くて使えない…」って言うし、

スパゲティコードを変更しようとすれば「動いているコードに手を入れるプログラマとは仲良くなれそうにない」とか言うだろうし、

開発プロセスを変更しようと言えば「いや、いままでこのやり方でやってきたし」って何かにつけて言い訳するんだろ?

だったら「自分にはソフトウェアを開発する技術力がないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。

そっちの方が、よっぽど何かってときに力になりたいってと思うし、

つーか、できない理由並べて、今の開発プロセススパゲティコードを変更させずに、バグをなくしてもらおうとするその魂胆がだせぇ、と。

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