2008-09-07

心の澄んだ花を荒らしても探すなら

静寂(しずけさ)がつつみ、争いのない世界に生まれ変わる。

打ち切りを喰らったアニメ版ファイナルファンタジーFF:アンリミテッドOP、Over the FANTASYの一節である。

初めてこの歌詞を聞いたときどういう意味か理解できなかった。正確には理解するのを常識と良識と臆病さと卑怯さが阻止した。

JPOPとアニソンに自由平等博愛努力友情勝利ガッシボカスイーツなテーマの詩が多い中で、この詩は心の澄んだ花を荒すことによってこそ、真に平和世界に生まれ変わることができると歌っている。この詩を聞いたとき、丁度他人を蹴落としてでも競争し、どんなにえげつない手段を使っても勝利しなければならない状況にあった自分がいた。そんな状況にいつつも、他人を抹殺することを躊躇していた優しくも優れてもいないただ臆病で卑怯なだけの自分に漆黒の殺意を芽生えさせてくれたのがこの歌だった。そしてこの歌は薄汚れた灰色の自分を、暗黒の勝負の谷底に突き落としてくれただけでなく、真に厳しいのは茨の道ではなくけがれを知らぬ無垢な花の道であることを教えてくれた。

そんな自分にとってフェータルだった歌をグーグル先生に聞いてみたら歌詞違ってた。「荒らしても探すなら」じゃなくて「嵐でも咲かせたら」だった。普通じゃん。普通アニソンじゃん。俺の漆黒の殺意なんだったの。俺が葬ったあいつらなんだったの。

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