2008-08-26

豆腐屋の話

大学1年の時、受験のレールにしか乗ってなかった自分が見たことの無い物を見たくて、友達の伝手とかで変な人がいると色んな人に会いに行った。

結局自分の中に何もなきゃ出会いがあっても引っかかるものも無いんだってのにすぐ気付いたんだけど。

その時会った中に、ヒーローショーのバイトをしながら福祉に関する法案を立法するために色々な政治家に働きかけてるって言う草の根文系青年(と中年の間くらい)の人がいた。

暑苦しい夏に4畳半の狭苦しい部屋に訪ねて行って色々教えてもらった。

正直ほとんど内容覚えて無いんだが、唯一覚えているのが次の話

「昔だったら、暑い冷房をかけずに暮らす事も出来たけど今じゃ難しい。確かに東京の夏は暑くなったけど、そういうことじゃないんだ、何でか分かる?」って。

僕は愛想笑いを浮かべながら「さぁ何ででしょう」なんて自分が薄っぺらい人間な事を悟られない様注意深く先を促した。

「昔はね、こういう暑いなーって思うと豆腐屋が廻ってきたりして涼を取れたりしたんだよ。今はみんな冷房をつけてるから豆腐屋なんて無くなってしまったんだ。つまりね、昔通りの自然な生活を送ろうとしても社会が変わってしまって同じ生活が出来なくなってるんだ」って。

何でかわからないけど、その豆腐屋って響きだけ心の中に残ったんだな。何でかわからないけど。

当時はパソコン通信なんて時代だったんだけど、最近引っ越しの時に名刺を見つけてひょっとしたらインターネット上で凄い活動をしてるかもしれないって思って検索してみた。引っかかってきたのはホームページを作ってみたは良いけど更新活動が滞って随分経つどこにでもあるセンスの無いテキストサイトだった。

少なくとも自分が会った時は会話の引き出しが全く無い私相手にずっと話し続ける位「語りたい事」を持っている人だったのに。

何と言うかリアルネットは近い様で遠い。

僕はその人の名刺を「すいません」と言って破りながら引っ越しゴミ整理用の70リットルゴミ袋に投げ捨てた。

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