一方でアホみたいに儲かってる同人音楽家やインディーズバンドも
あるわけでな。
結局、爆発的な音楽のジャンル多様化と消費者の情報チャネルの多様化に
よって、大衆歌というのが成立しなくなり、個人が極度に自分の好みに
あったスィートスポットのジャンルだけに分散するようになっただけでは。
客には予算制約があるから、本当に趣味にぴったんこ、の音楽を買うと、
大衆歌に支出する分はなくなる。だから、メガヒットのようなものは
でなくなる。
その代わり、有象無象のプチヒットやジャンルごとに小規模のヒーローが
群雄割拠するようになる。
この変化は、現代でおきてるあらゆる経済現象に通じることだ。
国民的アイドルもなければ、大衆車もなく、ファミコン(みんながあらかた
やってるゲーム機)もなければドラえもん(みんながあらかた知ってる漫画)
もない、という時代に今、われわれは生きている。
すなわち「マス」に焦点をあわせたどっちつかずの商品は、ニーズに特化した
商品に即座に駆逐されるのだ。
あらゆるものが消費者層に合わせて分散してニーズごとに多様な商品を
提示して完全にその消費者を囲ってしまっている。
だから誰にでもウケる、って曲はもう成立しないかもしれない。