何となく、経験を書くことにする。
僕は21歳まで誰とも付き合ったことなかったし、特にそういう気持ちもなかった。
自分が努力して、もててやろうとも思ったことないし、けれど普通にそれなりに楽しく生きていた。
女の子と付き合うなんてことは、もう無いものだと思っていたし、そんなもんだという認識だった。
そもそも女の子と話すことが苦手で、(赤面恐怖症的な症状だった)高校時代も大学時代も殆ど異性との交流はなかった。
兎に角、僕自身への僕の評価は、そんな感じだった。
加えて、僕はとても友達を作ることが苦手だった。大学に通っていたが、入学式のとき隣に座った奴が友達作る上手い奴じゃなかったら、きっと孤独に1時間半の道のりを通っていただろうし、大変な学生生活を送っていたに違いない。
そんな中、僕はブログをやるようになった。
目の前に相手の顔が見えないと言うアドバンテージは、相当あったと思う。
極端な恥ずかしがり屋だった僕は、ネットという世界では上手く立ち回れた(ように思っているだけかも知れないが)。
そんな中、僕はある人に出会った。
彼女は短大に通っており、実家に帰る前に一度僕に会いたいということだった。
僕も彼女に興味があり(その興味というものが、好きという感情やいわゆる恋愛という感情だったかは解らない)、会うことになった。(ネットというものの危険性や、相手が女性で上手く話せないだろうという事は不思議と考えなかった。)
その彼女に会うという行為は、僕の中で大きな変化を生んだ。
年下だったという事もあったかも知れないけれど、思っていた程緊張をせずコミュニケーションを取れたのだ。
高校時代、女性と話した回数がトータルで50回もなかっただろう僕が、女性に苦手意識を持っていた僕が、何故かスムーズに出来たのだ。それは僕の中が変化している(若しくは出来たくせにやってなかったこと)事を意味していた。
そんな中、僕はもう一人の女性と会うことになった。
メールでコミュニケーションをするようになり、メッセンジャに切り替わった頃、僕に会いたいと彼女は言ってきた。
新宿で会い、その日僕は彼女とキスをした。初めてのキスだった。
一般的ではないだろうが、会ってその日にセックスをした。勿論初。上手くいかなかったけれど。
次の日、僕等は付き合う事になった。
最初に会った彼女と、付き合う事になった彼女。その間2ヶ月位の出来事で、僕の中で一番劇的な時間だった。
苦手だと思っていたコミュニケーション。友達もろくに作ることが出来ない奴が、苦手意識を持っていた女の子と話すことをある程度克服し、そのうえ彼女まで作ってしまったのだ。
僕自身、信じられなかった。もう一生無いことだと思っていたことが、現に目の前にある。
そして手を繋ぐことが、これだけ素晴らしいことだったのか。好きといって貰えることが、こんなに良いことだったなんて・・・。
付き合うとか、恋愛だとかそういうものは、相手を認証することだ。友達と違って、もっと深い部分で。
相手に騙されているだとか、そういう心配をしないで(そういう所がが恋は盲目というゆえんだろうと思う)相手に心を許すことの心地よさは、麻薬のようだ。
遠距離で、今はもう別れてしまった彼女に僕はとても感謝している。
僕の行ったことが恋愛だったかは不明だけれど、恋愛というものが悪いものではないことを知ることが出来たから。
誰かから自分を承認して貰える体験は、何よりも素晴らしいことだと思う。
その究極的なものが、恋愛だと僕は思っている。
僕は巡り合わせが良かった。恐らく一つでも間違えていたら、今も何もなかったと思う。ネットで最初コミュニケーションできてなかったら、何もなかっただろうし。
落ちも何もないけれど、これが僕の経験。
以上、読んでくれて有り難う。