ここに夢がある、これこそが夢だ、夢を実現したい、
彼がどんなに夢を語ろうとも、現実として払うものさえ払わなければ
人がついてくるはずもない。
ならばと彼は敵を自ら作ることにした。
組織への反逆、そして告発。
自らこそ正義と、剣をふりかざし
小さな事件を大きな傷口へと抉り出した。
だが、もともと味方のいない彼が起こした行動に賛同するのは
現実の彼を知ることのない、匿名のネットユーザーのみであった。
彼が与えた、自らにすべて都合のいいことだけを並べても、
組織もまた周到な用意の上、彼の行為を咎め、
彼に不都合な事実を見せ、謝罪に至らしめた。
彼は負けるべくして負けた。
今やmixiでのみ吼えるだけという。
伝わるところにはきっちりと伝わっている事実に気づかず。
自らの首を絞めていることも知らず。
そこに夢はあったのか。
まだ彼は夢を見ようとするのか。
いったい彼は何がしたいのか。
誰も知らない、わからない。