2008-04-28

draft

こないだ、きみが意を決して尋ねてきたよね。そしてぼくはそれに答えて、あのときはそれで落着した。

あのときはつい咄嗟に、お互い傷つかないような答えを返してしまったのだけど、あれからぼくはあらためて考えてみたんだ。この連休、あえて誰にも――そう、君とも――会わずに。あのとききみに尋ねられたことについて自問してみたんだ。

きみがうれしいといえば僕もうれしいし、きみが気を落としているときにはどうにかして励ましてあげたいと思う。これはどうやら本当。

でもね。

これって、ぼくのリアルな感情がそう考えるように仕向けてるのだろうかなって。果たしてぼくは本心からそう思ってるのかなって。

きみは僕の彼女だ。あの日に君の「つきあってください」という言葉を受け入れたときから、そう。

でも、ぼくはきみの彼氏であることを、理性で演じていただけなんじゃないのかって。自問しているうちに、そういう疑問が浮かんできたんだ。

彼氏だからぼくはきみの悲しみを分かち合わなきゃいけない、と理性が考えたんじゃないのか。

彼氏だからぼくはきみの喜びに一緒に喜ばなきゃいけない、と理性が考えたんじゃないのか。

こないだのホワイトデーの日に、ぼくは花束を君の家に送ったじゃない。きみは大層よろこんでくれて、何度も何度もありがとうって繰り返してたけど、あれも、おれはなんで花束を送る気になったのかなって。やむない用事でどうしてもホワイトデーには会えなかったんだけど、その償いとしての贈り物だったんじゃないのか、って。

こないだ話したように、ぼくは相変わらず仕事がうまくいっていない。

何かあるたびにきみが僕のことを「好きだ、好きだ」って言ってくれることに、ぼくは無愛想ながらも、心地よさを感じてそれにもたれかかっていたのかも知れない。自信を失う日々が続いて色彩のない日常をすごすなかで、きみとの逢瀬はたしかに一つの安らぎだった。日曜の朝にきみが左側で寝ているのを見て、ひょっとしてここは恋愛の次につながっているのかなって、そう考えたときもあったの。本当に。

でも気づいたら、なんか別のところにつながってるのかもって思うようになってた。きみからのメールに返信することよりテレビネットに耽ってたいと思ってた。週末に君とあうよりも、ひとり家に籠もって本を読んでたいと思うようになってた。こないだのきみの勇気ある質問にも、回答するのが煩わしいと思った。

そして、ぼくはこんな感情を隠すのが上手じゃなくて、君は連日それに胸を痛めてるんだと思う。

もう自分を見て見ぬふりをするのを、やめようと思うんだ。

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