はてなの株式上場を睨んで、増田のIDがすべて白日の下に晒されるらしい(大嘘)昨今、
匿名の勇気ある恥知らずである増田たちの間ではこんな議論が盛んになっている。
「万が一、IDが晒されてしまった時に我々は慌てないですむような記事を書いているだろうか?」
というものだ。
『一年後に読んで、うっかり削除したくなるような記事は書かないようにしよう』
一つ一つの記事に執筆者の夢や主張が濃厚に凝縮されていて、
腐敗した当時のはてなにおいて常に建設的な議論が交わされていた。
だが、本当にそれらは『後で消したくならない』ような、執筆者にとって
恥ずかしくない記事だったんだろうか? 筆者はそうは思わない。
昔の青かった頃の自分、若かった自分、甘酸っぱい青春に酔っていたあの頃。
その頃の自分の姿を見て、顔を赤らめないものなどいないのだ。
しかし、現在の状況はどうだろう?
本来ならアンチテーゼとなるべき存在であるはずの「ニュー速・VIP(2ch)」的な
『ネタ体験談/自伝/暴露』や、つい最近も世間を騒がせた「分裂君劇場」のような
『極論(で議論を起こし、ブクマを集めるスキャンダル芸人風味の)記事』で溢れかえってはいないだろうか。
さらに悪いことには、もっとも忌むべき、唾棄すべき存在であるはずの
『はてブ』と全体のカラーがどんどん似てきてはいないだろうか?
「『ネタ』は『ネタ』であるから、後で読み返しても『そういうものだ』と片付けられて
全然恥ずかしくもない」だろうが、その「ネタ」は果たして「増田」と呼べるものだろうか?
はてブの人気記事にくるような2chスレまとめ紹介サイトのようなところにのりたければ、VIPでやればいい。
分裂君になりたければ、はてなダイヤリーでかけばもっと人気が固定化されるし、
はてブみたいな一行書き捨てがやりたけりゃはてブをつけまくればいい。
誰にだって、その時にしか書けないことというのはある。
それはもしかしたら、中高生時代の自作ポエムのような、あとで存在を消去したくなるようなものなのかもしれない。
だがしかし、同時にその時のあなたの真摯さの裏づけでもあるのだ。
本当に恥ずかしいのは、その文章ではなく、
「昔の自分」を認めず、あまつさえ忘れようとそれを削除する、あなた自身なのだ。