【性犯罪撲滅宣言】「再犯、常習者はエスカレートする」 早い段階で「厳罰」必要 - MSN産経ニュース
本紙ホームページ「MSN産経ニュース」をみると、地方ニュースのアクセスランキングで上位を占めるのは、性犯罪を扱ったニュースばかり。情報の受け手に問題意識を持ってもらえたのか、単なる好奇心を満たしただけで終わってしまったのか。ニュースの発信者として気にかかるのは、性犯罪とその当事者に対する世間のまなざしだ。
性犯罪の被害者は、概して警察に届け出ることをためらう傾向が強い。「思いだしたくない」「世間に知られたら恥ずかしい」などの思いから、沈黙を守る女性は後を絶たない。聴取や公判をこなす過程で、不愉快な記憶を呼び起こし、その詳細を説明することは、苦痛が伴う作業だ。
また、周囲から「君にすきがあったんだろう」「あなたが挑発したんじゃないの」などと非難され、自責の念に苦しむ被害者も少なくない。露出狂に遭った場合は、被害者には深刻でも、周りに笑い話として受け流されてしまうこともある。
県警では、不幸にして性犯罪の被害に遭った場合、できる限り女性捜査員が対応するなど、被害者への配慮を心がけている。
県警捜査1課性犯罪捜査担当の女性警部補は「万一被害に遭ったら、自分自身が再び襲われないためにも、他の人が被害に遭わないためにも、泣き寝入りせず、絶対に警察に届けてほしい」と話す。
性犯罪の被害者を取り巻く環境は厳しい。司法関係者の行き届いた対応や、再犯を許さないシステムの構築はもちろん、周囲の好奇にとどまらない視線や被害者への理解が、被害届を出す勇気を後押しし、セカンド・ハラスメントを最小限にとどめることにつながるだろう。(豊田真由美)