2007-12-12

伯母から母に手紙が来た

まず、伯母の家族構成を書いておく。

年金と三男からの仕送りが6人の生活費になっている。三男が未婚である理由は言わずもがなである。

昨日、伯母から母に手紙が来た。我が家家族全員宛に季節の便りを葉書で送ってくれることはたびたびあったが、今回は母宛で、封書だった。母は宛名を見た瞬間いやな予感がしたという。達筆であった伯母の筆跡がひどく乱れていたからだ。

昨夜帰宅した私に、母が手紙を見せてくれた。父には手紙が来たことをまだ話していないという。私も伯母の筆跡の乱れように驚き、いささかならぬ恐怖を感じながら便箋を開いた。文面は私が知る伯母のものとは思えない乱筆乱文、そして悲惨と恐怖に満ちたものであった。

長男が暴力を振るうようになったという。

長男は夏頃までは月に1、2度古本屋へ出かけたり、かかりつけの病院へ診察を受けに行くなど普段通りの生活を送っていた。家族との会話も少ないながら交わしていた。ところが秋に入ってから食事とトイレ以外は全く部屋から出なくなった。食事ができると伯母が部屋へ呼びに行く。食事に箸はつけるものの、じっと俯いて黙ったまま。そして突然顔を上げたかと思うと、食器類を食卓に叩き付け、「なんでこんなものしか食えないんだ」「こんな生活しかできないのもみんなお前らのせいだ。死ね。お前らみんな死ね」などと声を荒げ、部屋へ戻ってしまう。伯父と伯母に殴り掛かろうとしたこともあったが、二男が羽交い締めにして止めた。

こんなことになったきっかけが全くわからない、そもそも私の育て方が間違っていたのだろう、○○(三男)にも申し訳ない、母親失格だ、殺されても仕方がない、云々。読みながら手が震えた。家の中の澱んだ空気が臭ってくるようだった。

どうにも頭が混乱したが、母には父にも手紙を見せることを勧めた。父は普段は穏やかな人だが、いったん激昂するとなかなか冷静になれないところがある。伯母は当然父のそんな性格を知っていたから、母に手紙を出すしかなかったのだろう。しかし、これは父も知らなくてはいけないことだと思ったので、母と話し合い、内容をあらかじめ話した上で父に手紙を見せることにした。

手紙を読み終えた父の表情は恐怖と怒りと悲しみ、そして苦渋に満ちていた。便箋に目を落としたまま呟いた。「なにせ遠いもんだからなかなか顔を合わせる機会もないけれども、時々電話ででも話を聞いてやってればなぁ…」。母は泣いていた。「明日、姉さんに電話して、土日であっちへ泊まるようにするから。とにかく、直接話を聞かないことにはなんともならん」。父は便箋を畳んで封筒にしまい、鞄に入れた。

私には何ができるのだろう。まずは伯母宛に手紙を書いて父に託すくらいしかできないと思うが、何を書いていいのかまったくわからない。布団に潜って考えていたら眠ってしまい、伯母が台所に立って包丁を握りしめている夢を見て汗びっしょりで目が覚め、これを書いている。階下で母も起き出したようで、さっきから食器を洗う音がしている。父も起きているのかもしれない。三人ででお茶でも飲んで、少しでも落ち着こう。

  • 未婚の長姉・次姉が未婚でいるのが地味に怖いな。同居なんだろ? 暴力以外にもなんかあるんじゃないかと思えてしまう。

    • 70代後半ならありがちじゃないの? 若い頃は戦争で男が大量に死んで女が余って結婚出来ず、かと言って女が一人で家を出て自立する事も難しく、 実家で親や男兄弟に養われて生きるし...

  • 何人か自殺すればよさげな気がするけどな。 50や70にもなれば生きる理由もないだろうし。 何のために生きてるんだろ? しねばいいのに。

  • 親戚絡みの問題はじわじわと重いね。 暴力を振るう長男を隔離すれば丸く収まるんだが、そういうわけにはいかないのかなあ。 今70代の人々は、戦後に一番の働き盛りを捧げて 日本人...

  • 最近テレビでやってた「パラサイト虐待」ってやつかね。 親に養ってもらいながら暴力を振るうってやつ。 当の親は「こんな人間に育ててしまったのは自分」という負い目があるから、...

    • 子供同士のケンカみたいな 屁理屈のこねあいになるけど 彼女らが働いてないから自分も働かない!というなら 彼女らが飢え死にしたらあなたも飢え死にするのぉ????とか 考えてし...

    • そ、そうかなあ。 全員同じ日から、同じ給料で働かないといけないみたいだ。 「働ける人から働こう」でいいと思うんだけど… いずれにしても、長男さんは社会生活に向かない性格に...

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