2007-11-11

異国。

少し前に沖縄出張したときの話。

仕事先に行く途中、少し時間があったので、タクシーの運転手に頼んで近くの米軍基地の回りをうろつくことに。

運ちゃんの説明を聞きつつ、米軍基地の外周を回ったが、その施設充実度は凄い。

基地内に幼稚園から大学まですべて完備。

基地在住者の子女が通うために作っているとか。

しかも大学に至っては6大学あるらしい。

映画館などレジャー施設もしっかり用意。

映画館では字幕はないとか。当たり前か。

さらには専用ゴルフ場あり。

いくつかゴルフ場があるそうで、日本人もプレーできるところもあるらしい。

一番驚いたのは、専用ピザハット

サイズはアメリカンサイズだとか。

これらすべて米軍基地内の設備。

日本人感覚からすれば「こんなに無駄にスペース作らんでもええやん」と言いたくなるような、だだっ広い敷地。

その中に様々な施設が距離感を持って点在している。

このへんも、広大な土地を持つアメリカ人感覚では当たり前なのだろうか。

少し高台になった場所から見下ろす分にはこれらの施設も地続きで、沖縄の街の一つとして違和感なく受け入れられる。

しかし、近づくとすべてがフェンス越しに見えるものである事に気づく。

「許可無く入ると日本国法律により罰せられる」

英語看板が、ここが日本であって日本でない事を物語っている。

以前に沖縄に来たときには、国際通りを巡ったぐらいで米軍基地存在意識する事はなかったが、いざこのようにリアルな情景として基地を見ると、少し複雑な思いが頭をよぎる。

それにしてもこの運ちゃん、観光客をよく乗せているとはいえ、米軍基地にやたらと詳しい。

いくら沖縄在住とは言え易々と基地には入れないはずだが…。

と思っていたらその運ちゃん、俺のそんな疑問を悟ったかのように沖縄人独特のイントネーションで照れくさそうに

「いやぁ。昔、米軍基地に住んでた娘とちょっとねぇ(笑)関係者にコネがあると中に入れるんですよぉ」と。

なるほど。運ちゃんの基地案内は異文化交流の賜物か。

運ちゃんは続ける。

「基地があるせいでイロイロあるけどねぇ。でも、ほとんどの"アメリカさん"はそんな悪いやつでもないよぉ。でも、この設備って、じぇーんぶ思いやり予算で作られてんだよねぇ。お兄さんの税金も、ここの維持に流れてるんだよねぇ。」

言葉の端々に混じるのは、“国民”と“個人”の狭間で揺れる葛藤

その葛藤をねじ伏せるかのように、戦闘機が轟音を立てて上空を飛んでいった。

  • 大学はアメリカ本土にある各大学の出先機関的なもので小規模だよ。 あと、日本人でも受講できる制度があったはず。 流石にいつでも入れる場所じゃないけれど、中の在日米軍ファミリ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん