2007-10-30

ライトノベルの面白さ

ライトノベルと云うものは、本来、女子供の読むもので、いわゆる利口な大人が目の色を変えて読み、しかもその読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。ライトノベルを読んで、襟(えり)を正しただの、頭を下げただのと云っている人は、それが冗談ならばまた面白い話柄でもありましょうが、事実そのような振舞いを致したならば、それは狂人の仕草と申さなければなりますまい。

ライトノベルと云うものは、そのように情無いもので、実は、オタクをだませばそれで大成功。そのオタクをだます手も、色々ありまして、或(ある)いは謹厳を装い、或いは美貌をほのめかし、あるいは名門の出だと偽り、或いはろくでもない学識を総ざらいにひけらかし、或いは我が家の不幸を恥も外聞も無く発表し、以てオタクシンパシーを買わんとする意図明々白々なるにかかわらず、評論家と云う馬鹿者がありまして、それを捧げ奉り、また自分の飯の種にしているようですから、呆れるじゃありませんか。

最後に云って置きますが、むかし、神坂と云う人がありまして、この人の書いたものは余り面白く無かったけれど、でも、その人のライフ・ワークらしいスレイヤーズの序文に、オタクのねむけ醒(ざま)しともなれば幸なりと書いてありました。そうして、そのオタクのねむけ醒しのために、あの人は目を潰(つぶ)してしまいまして、それでも、口述筆記で続けたってんですから、馬鹿もんじゃありませんか。

余談のようになりますが、私はいつだか谷川と云う人の閉じられた世界と云う作品を、眠られない夜に朝までかかって全部読み尽し、そうしたら眠くなってきましたので、その部厚の本を枕元に投げ出し、うとうと眠りましたら、夢を見ました。それが、ちっとも、何にも、ぜんぜん、その作品と関係の無い夢でした。あとで聞いたら、その人が、その作品の完成のために十年間かかったと云うことでした。

ハセ・クライスナー

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