2007-10-16

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071016-00000087-jij-soci

肺がん見落とし、国に賠償命令=受刑者検査医師に過失??仙台地裁

結論から言うと、受刑者の肺がん検診には無理がある。

以前、間接撮影の読影をやったことがあるが、1割以上は異常所見。

で、異常所見がある人は自治体検診なら二次読影にまわって以前の写真と比較される。以前の写真と比べると、ほとんどの人は変化がなく、すなわち陳旧性炎症像として経過観察となる。以前と変化がある場合は精密検査を受ける旨本人に通知が届く。

これに対して受刑者検診の場合、入所して初めての検診の場合が多く、現在プロセスでは入所前の写真を参照することができない。検診機関の立場からすれば、異常所見のある人は皆精密検査を勧めることになる。精密検査の費用は刑務所持ちになるが、予算に上限があるので受刑者には精検を勧められた旨は知らせられず、こうして初期の肺がんは必ず見逃される。

整理すると、

  • 過去の検診歴が得られないため「要精検」率が高く、
  • それにもかかわらず予算は初めから上限を決められているので、
  • 多くの受刑者は精検を受けられず、

→初期の肺がんは見逃される。

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